試した結果、複数のスマホへ1枚のマイナンバーカードを同時に登録することはできませんでした。今回はまずAndroidに、次いでiPhoneに登録しましたが、iPhoneへの登録が完了した時点でAndroidからはログインできなくなりました。これはユーザ1人に対して発行できる「署名用電子証明書」および「利用者証明用電子証明書」が、それぞれ1枚ずつと決まっているためです。

 1台のスマホに複数のマイナンバーカードを登録することもできません。ただし「1人1台」の原則さえ守れば、スマホを所有していない人でも家族のスマホを一時的に借りて、自分のマイナンバーカードを登録することは可能です。

今のところ、デメリットは特になし

 以上、ざっと登録から利用までの流れを紹介しましたが、登録手順は画面の数も多く多少面倒ではあるものの、完了さえすれば利便性の高さは折り紙付きです。特に確定申告を行っている人などは、マイナポータルへのログイン、各種データのダウンロード、申請でマイナンバーカードを読み取らずに済むことから、手間を減らすことに大きな効果があります。

 現時点で言えるのは、マイナンバーカードをスマホに登録して何らかの制限が発生することはなく、デメリットは特にないということです。機種変更時には再登録が必要になるとはいえ、紐づけを解除するなどの面倒な手間も必要ありません。

 近日中には本人確認アプリのリリースも予定されています。マイナンバーカードを持ち歩きせずに済み、かつパスワードの入力も不要という恩恵を、いち早く受けてみてはいかがでしょうか。

2025.07.21(月)
文=山口真弘