黒毛和牛のバラ&ウデ&モモを、心ゆくまで!

 モスで商品開発に携わって30有余年といういわば“モス商品開発の顔”ともいうべき永野志津夫さんが担当したのが、とりわけ男性の胃袋を喜ばせるであろう「黒毛和牛の肉盛りバーガー」だ。

「私、なんでこんな格好しているのか判りませんが」

 といきなりの不服表明だが、ニヤリとまんざらでもなさそうなハッピ姿である。

「夏と言えば焼肉! そんなイメージをバーガーにしました。あまり気づかれていないのですが、実はモスで焼肉をバーガーの具材にしたのは初めてなのですよ」

 ええっと、焼肉を具材に使っていませんでしたっけ?

「それは『モスライスバーガー焼肉』ね! 皆さん勘違いするんですけど、焼肉をバンズにはさんだのはモス初。肉の厚みをどうするか、盛り感をどう出すか開発にはかなり時間をかけました。黒毛和牛の部位としてはバラ肉、ウデ肉、モモ肉を使い、バラ肉で旨みや脂身を、ウデとモモで食感や食べ応えを出しています。味付けは醤油、砂糖をベースにぎりぎりまでシンプルにしましたが、味自体は濃い目なのでドリンクは必須ですよ! ちなみに肉の量は、おなじみ『モスバーガー』のパティ2枚弱くらい使っていますので、ガッツリお召し上がり頂けるはずです!」

 話を聞くだけで「これはウマイ!」、その思い込みで正解。ちなみにバンズも「プレミアムバンズ」使用とのことで、パティもバンズも特別な一品と言えそうだ。価格は890円とモスの中では「Premium」ランクだが、この肉感、余裕で価格超え!

ナンじゃなくてバーガーでタコスなのだ!

 続いては「モスタコスバーガー」開発担当者、フロム・メヒコ(笑)の渡部拓巳さんだ。

「モスでタコスと言えば『ナンタコス!』という方が多いと思うのですが、そのナンをバンズにしたのが『モスタコスバーガー』です。定評あるモスバーガーの基本設計に隠し味として味噌を使ったオリジナルタコスソースを盛っています。スパイスを使用していますが辛みはなく、香りを立てる演出をしています。もっと刺激を! という方にはハラペーニョが入って本気で辛い『スパイシーモスタコスバーガー』もありますので心して挑戦して下さい」

 ハラペ入りは確かに勇気がいりそうだ(笑)。「モスタコスバーガー」は渡部さんがおっしゃるように辛みはないが、これと一緒にオーダーしてパクつきたいホットモンスターがいる。その名は「ホット スパイスモスチキン〈カレー〉」。これ、本気で辛いです!

2025.07.18(金)
文・写真=前田賢紀