この記事の連載

「共感力」が演技の幅を広げる鍵

──ドラマ『無能の鷹』では「圧倒的に無能なヒロイン」という、コメディ色の強い役にも挑戦されています。演じる幅が広がる上で、演じることへのスタンスに変化はありましたか?

 自分にないものを演じるのは、どこか難しさを感じることがあります。なので、私に役を託してくださる方は、きっと私の中にその役と通じる何かを感じ取ってくださっているんだと思います。
役柄によって共感の度合いに差はありますが、どんな役にも必ずそうした部分はあると感じています。脚本をもらった際に、その役と自分の共通点を見つけるのは得意なタイプだと思います。

 人と話していると、その人の空気感や言葉のニュアンス、声のトーンから、なんとなくいろんなことを感じ取って、考えていることが少しだけ伝わってくるような気がするんです。
その感覚の鋭さみたいなものは、役者をするうえですごく役に立っています。

──今後、挑戦してみたい役や仕事はありますか?

 阿部(寛)さんが、まだまだ新しいことに挑戦したいとおっしゃっていたのに刺激を受けて、私も自分の可能性を広げていきたいと強く感じました。大先輩がチャレンジするなら、私も頑張らなきゃって。今まで舞台をやったことがないので、舞台に挑戦して表現の幅を広げたいです。また、プライベートでも自分を高めていくようなことに様々な経験を積んでいきたいですね。

菜々緒

1988年、埼玉県生まれ。ドラマ・映画・CM 等幅広く活躍。近年は劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(23)、映画『怪物の木こり』(23)などに出演。フジテレビ系ドラマ『忍者に結婚は難しい』(23)、テレビ朝日系ドラマ『無能の鷹』(24)で主演を務めた。8月に劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』の公開が控えている。

『キャンドルスティック』

原作:川村徹彦「損切り:FXシミュレーション・サクセスストーリー」
監督:米倉強太 
出演:阿部寛、菜々緒、アリッサ・チア、サヘル・ローズ、津田健次郎ほか
7月4日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー

次の話を読む「“筋肉は裏切らない”は本当だった!」菜々緒が30代に入って気がついた心と体の変化

2025.07.06(日)
文=高田真莉絵
撮影=深野未季
ヘア&メイク=吉田真妃
スタイリング=倉田 強