〈医師に「治療しなかったら私は死ぬんですか」と…乳がんステージ3の梅宮アンナ(52)が明かす、意外な病院選びと医師との出会い〉から続く
昨年8月、希少がんである乳がん“浸潤性小葉がん”のステージ3であることを公表した、梅宮アンナさん(52)。現在は、母のクラウディアさん(81)と、ときどき米国から帰国する娘の百々果さん(23)と生活をともにしながら、治療と仕事を両立させている。
病院選びや標準治療を選んだ理由について、語っていただいた。(全3回の2回目/続きを読む)
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デタラメな情報に惑わされない
よく聞くのが「がん細胞は糖質をエネルギーにしているから控えたほうがいい」。それが根拠となって「糖質制限をすれば、がん細胞が増殖しない」「がんになったら、甘いものなんてもってのほか」なんてことになっている。

健康志向の人が、がんになって「日頃から食べ物にも気を使って、運動もしていたのに……」と嘆いているのを見たり、聞いたりしてきた私からすると、なんだか釈然としない。
「がん患者って、食べちゃいけないものとかあるんですか?」
「これは食べちゃダメだとか、これは食べていいとかっていう教えは、僕たちの世界にはない」
診察の最中、先生とそんな話になって「だよねえ」とウンウンうなずいた。
さらに自分のなかで決定打となったのが、病院での食事だ。毎食、パンか白米のどちらか、ときどき麺類って感じだった。糖質って聞いて、パッと頭に浮かぶのはパンか白米。糖質制限って聞いて、「控えなきゃ」と頭に浮かぶのもパンか白米。「加工食品もダメ」らしいけど、おかずでウィンナーも出ている。一部の界隈でダメとされているものが、がん患者の食事として認められている。「なにをか言わんや」だ。
デザートに甘いフルーツが出された日には、「ああ、これが答えなんだろうな」と感慨深くなってしまった。結局のところ「タンパク質、脂質、炭水化物、糖質、食物繊維などを、バランスよく取っていなさい」ってこと。最初からそうだろうとは思ってはいたし、ほとんどの人がそう思っているだろうけど、甘いフルーツを味わったことで、納得できて腑に落ちた。
2025.07.09(水)
文=平田裕介