昨年8月、希少がんである乳がん“浸潤性小葉がん”のステージ3であることを公表した、梅宮アンナさん(52)。現在は、母のクラウディアさん(81)と、ときどき米国から帰国する娘の百々果さん(23)と生活をともにしながら、治療と仕事を両立させている。
病院選びや標準治療を選んだ理由について、語っていただいた。(全3回の1回目/続きを読む)
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病院選びと医師との出会い
がんと告知されてから真っ先に考えなければいけないのが病院だった。どこの病院で治療を受けるべきか本来ならじっくり調べるのかもしれないけど、私の中では一択だった。梅宮家はこれまでずっと人間ドックも、風邪の診療やワクチン接種も国立の病院だったし、長年がん治療をしていたパパも国立がん研究センターに通っていたので、迷わず国立がん研究センターを選んだ。
そこで最初に担当してくれた先生が今も担当してくれている。「梅宮さん、ここの病院で治療するってことで大丈夫ですね」と半ば強引に決まってしまったけど、その先生の言ってることは全て納得できた。
「治療しなかったら私は死ぬんですか」って私のド直球な質問に対しても、「梅宮さん、死ぬかどうかは神様しかわからない。この病気に何が大事かって、やっぱり治そうという気持ちなんですよ」と答えてくれた。変に「死にませんよ、大丈夫です。必ず治ります」と無責任なことを言われるよりよっぽど説得力があった。

今後の治療に関しても丁寧にわかりやすく伝えてくれた。
「治療を山登りに例えると、このルートで行こうと決めても途中で雨が降ったり、天候が急に変わったりして、避難しなきゃいけない時があって。このまま上に行くのか、ルートを変えるのか、下山するのか。その度に選択しなければいけない。同じように治療法も途中で変わるかもしれないから、思うようにすんなりはいかないよ」とまっすぐ目を見て説明してくれた。
そして先生から「この病気のことをなるべく勉強してください」と言われて、何冊ものガイドブックを渡された。勉強するのなんて何年ぶりだろうと思いながら、家に帰ってリビングでノートとペンを用意してお勉強。難しい専門用語ばかり出てくるけど、調べていくうちに自分がどんな状況で、これからどんな治療をしていくのか少しずつ理解できた。こんな姿を見るのは久しぶりだからなのか、ママは「アンナはがんになって勉強に目覚めたのね」と感心してた。
2025.07.08(火)
文=平田裕介