この記事の連載
沢城みゆきさん×片岡愛之助さん 対談【前篇】
沢城みゆきさん×片岡愛之助さん 対談【後篇】

1971年のテレビ放送開始以来、世代を超えて世界中で愛されているルパン三世。2D劇場版アニメーションとして、約30年ぶりに映画『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』が公開されます。
初共演を果たした峰不二子役の沢城みゆきさんと、ゲスト出演の片岡愛之助さんが語り合いました。

――本作は約30年ぶりの2D劇場版アニメーション版「ルパン三世」です。まずは30年ぶりに劇場版が公開されることをどう思われましたか?
片岡愛之助さん(以下、愛之助) 「あれ? そんなにやっていませんでしたっけ?」と思いました。僕はルパンと共に育ってきたと言っても過言ではないほどずっと観てきたので、「間が空いている」という感覚がないのかもしれませんが……。
沢城みゆきさん(以下、沢城) 私も「あれ? 30年ぶりってどういうこと……?」と思いました。小池健監督の『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』(14年)から、“小池ルパン”シリーズとして、『LUPIN THE ⅢRD 血煙の石川五ェ門』(17年)、『LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘』(19年)とやらせていただいてきましたが、『LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘』では、宮野真守さんと一緒に舞台挨拶もさせていただいたので…。劇場版として『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』(96年)以来約30年ぶり、ということでしたね。

――おふたりの「ルパン三世」との出会いと、ルパン三世をどのようにご覧になっていたかをお聞かせください。
愛之助 僕は先ほども申し上げましたが、子どもの頃からずっとアニメシリーズを観て育ってきた、と言ってもいいくらいルパンが大好きでした。ルパン三世は、小さいお子さんから大人まで、みんなが大好きですが、男ならみんな一度はルパンに憧れたことがあるのではないかと思います。
沢城 私は、テレビアニメシリーズを再放送で観ていました。「ルパン三世」といってまず思い浮かぶのは、「LUPIN THE IIIRD~」の女性コーラスが流れてCMに入るクレジット画です。ルパンが愛車のアルファロメオに乗ろうとする時に、ハンドルが外れて「ありぃ?」と車の外に転がり落ちる。そのシーンが強く印象に残っています。
その後、1年に1回金曜ロードショーで「ルパン三世」をやるようになりましたが、その頃はもう「声優になりたい」という思いで意図的に観ていました。峰不二子役の増山江威子さんはもちろんですが、『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』(96年)でエメラ役を演じた横山ちささん、『ルパン三世 ワルサーP38』(97年)でエレン役を演じた篠原恵美さん、『ルパン三世 炎の記憶~TOKYO CRISIS~』(98年)で一式まりやを演じた林原めぐみさんなど、ものすごい憧れの人たちがヒロインとして毎年登場されるので、「ルパン三世ってすごいなあ」と思いながら観ていました。
愛之助 面白い視点ですね。そんなふうにご覧になっていたのですね。

沢城 毎年ルパンのヒロインは1人なので、すごくきらめいていて憧れの存在でした。こうなりたいとか、「いつか自分も……」なんて言うとおこがましいですが、ずっと羨望のまなざしで見ていました。
とうとうヒロインにはなれませんでしたが……。
愛之助 いえいえ、唯一無二のヒロインですよ、峰不二子は。
沢城 そうですね(笑)、ありがとうございます。
――ご自身のキャラクターにはどう向き合われたのですか?
2025.07.05(土)
文=相澤洋美
撮影=鈴木七絵
ヘアメイク=沢城みゆき:チチイカツキ、片岡愛之助:ヘア=山崎潤子/メイク=青木満寿子
スタイリスト=沢城みゆき:河野素子、片岡愛之助:九