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一番近くにいる先輩は、パワフルな母親

――以前、他のインタビューではご自身のルーツ(父はアフリカ系アメリカ人、母は在日韓国人)について悩んだこともあると話されていました。ニューヨークの暮らしを経て、徐々に受け入れられるようになったのでしょうか?

 パーっと晴れやかな気持ちになったかというと、100%そうとは言い切れないけれど、「自分が頑張っていれば、もうそれでいいんじゃない?」と気楽にとらえられるようにはなってきました。それこそデビュー当時と比べたら、状況も変わってきていますしね。

――日本ではマイノリティであることを気軽に考えられるようになったのは、自信がついてきた、というのもあるのでしょうか?

 そうですね。自分にしかできないことや、持っている強みに意識的になれました。成功体験の積み重ねによって獲得できた考え方かもしれません。

――自信をつけてきた今だからこそ、年齢を重ねていく中での変化には、どのように向き合っていますか?

 母がとてもパワフルな人で、そばで活躍を見ているので、年齢を重ねることに不安はあまりないかもしれません。母はシンガーだから仕事の相談もできるし、一番近くにいる尊敬できる先輩なんです。私の心に響くことばかり言ってくれるから、「名言カレンダー作ってよ!」って勧めています(笑)。身近に人生の先輩がいるとやっぱり心強いですよね。

 イライラしたり、難しい局面にぶつかったりした際は、気分転換のためにきれいな景色を観に行ったり、友達とご飯食べに行ったりして元気をチャージしてます。いたって普通のリフレッシュ法ですが、これが結局癒されるんです。

――最後に、今後挑戦したい音楽や、コラボレーションしたいアーティストについて教えてください。

 コラボレーションしたいのは、プロデューサーの安田慎太郎くんです。K-POPからアリアナ・グランデからオールマイティーで、トラックメイキングやメロディーがとても良くて! 彼と一緒に楽曲制作したいです!

【前篇】「理想の世界に近づいている気がする」デビュー25周年のCrystal Kayが音楽シーンで感じる嬉しい変化

Crystal Kay

1999年「Eternal Memories」でデビュー。2002年10月に発売した3rdアルバム『almost seventeen』は、オリコンチャート初登場2位という快挙を成し遂げ、「Boyfriend -partII-」「恋におちたら」などのヒット曲で大ブレイク。近年は2019年・2022年に上演されたブロードウェイミュージカル「ピピン」に出演、第27回読売演劇大賞 優秀女優賞受賞。2023年映画「白鍵と黑鍵の間に」への出演、2024年8月~9月には日米合作ブロードウェイミュージカル「RENT」に出演するなど、演技にも力を入れているほか、バラエティー番組に多数出演する等、さらに活躍の場を広げている。

▼新譜情報

『ALL TIME BEST 25th Anniversary』

25周年を迎え、大ヒット曲「恋におちたら」「Boyfriend -part II-」など4曲の再録を含む全32曲を収録したCrystal Kayにとって初のオールタイムベストアルバム。

【初回限定盤】

2CD+Blu-ray+トレカ5枚セット+三方背スリーブケース TYCT-69353 6,900円
2CD+DVD+トレカ5枚セット+三方背スリーブケース TYCT-69354 6,900円

【通常盤】

2CD TYCT-60248/9 3,900円

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2025.06.25(水)
文=高田真莉絵
撮影=平松市聖
スタイリング=角田今日子(ポストファウンデーション)
ヘア=遠田眞里