終電に間に合わなくて、学校で寝たことも

――ゴウンさんは韓国芸術総合学校(※)のご出身ですよね。舞台挨拶では「優等生だった」とおっしゃっていましたが。
※韓国唯一の芸術系国立大学で、ゴウンさんが卒業した演劇院演技科は、多くの俳優を輩出した名門。今作で共演しているイ・サンイとは同校の同期。
キム・ゴウン 大学生活は、ものすごくハードでした。1時限目が9時に始まって、夜中まで演技の練習。終電に間に合わなくて、学校で寝たこともあります。私だけじゃなく、うちの大学は、家に帰れない学生が多かったんです(笑)。
――それもまた青春ですよね。
ノ・サンヒョン 僕は、大学の長期休みの度に韓国に帰国していました。韓国で友人たちと過ごしたり、未来を思い描いたり、自分なりに計画をしてトライしたりする時間もワクワクしました。

――ジェヒとフンスの“最強の関係”に、ラストシーンは涙が止まりませんでした。お二人には、ジェヒとフンスのような関係の方はいらっしゃいますか?
ノ・サンヒョン う~ん。なんでも打ち明けられる友人はいますが、全てを共有しながら十数年一緒に成長できる人ってなかなかいないですよね。ここまで特別な仲になれる人に一人でも出会えたら幸せだろうなと思います。
キム・ゴウン 私も親友はいますが、ジェヒとフンスのような関係とは少し違うかも。ジェヒとフンスは20代だったからこそ、全てを共有する仲になれたし、その関係性が心地よかったんだと思うんです。人って、働くようになったり、家庭ができたり、ステージが変わる中で、関係性も友情の形も変わっていくと思っていて。
30代になって、全てを共有するというよりも、お互いの立場や状況を理解して、お互いに適切なラインをきちんと守って生活できる関係が“特別な関係”だと思うようになりました。
2025.06.19(木)
文=酒井美絵子
撮影=平松市聖