この記事の連載
平野綾さんインタビュー#前篇
平野綾さんインタビュー#後篇
チョコレートを作ることも食べることも禁止されてしまう世界になったら──。イギリスの人気児童文学『チョコレート・アンダーグラウンド』を、世界初のミュージカル化。
チョコレートの美味しさ、楽しさを伝えるチョコレートガール・モファットを演じる平野綾さんに、作品の魅力や舞台への意気込みをお聞きしました。

──本作のオファーを受けたときの経緯を教えてください。
平野綾さん(以下、平野) 2024年の1月に、石丸さち子さんが脚本・演出を手がけられた朗読劇「はじめての」に出演させていただきました。最前線で活躍する4人の直木賞作家と、“小説を音楽にする”ユニットYOASOBIのコラボレーションによるプロジェクトだったんですけど、私も石丸さんも本好きなので「私たちって、文学少女だったよね」ってすごく盛り上がったんです。
その時に、「実は今度、アレックス・シアラー原作の大人気児童文学『チョコレートアンダーグラウンド』を世界で初めてミュージカル化する」とお話をうかがいまして。しかも、「(高橋)亜子さんに脚本と歌詞を書いていただいている」とお聞きして「うわ、めちゃくちゃテンション上がるじゃないですか、それ!」というお話から、「ぜひ綾ちゃんにも出演してほしい」とお声がけいただき、参加させていただくことになりました。

──平野さんが原作をお読みになったのはいつですか?
平野 10代の頃に読んだ記憶があります。『チョコレート・アンダーグラウンド』って、あの分厚い本ですよね」と思わず石丸さんに聞いてしまいました(笑)。
もちろん、初めて読んだ時は、「いつか自分がこの物語をミュージカルで演じることになる」などとは夢にも思わず、ただ面白く楽しく読んでいただけでしたので、今回オファーをいただき、あらためて「これをどうやって舞台で表現するんだろう」と考えながら再読しました。
2025.05.27(火)
文=相澤洋美
写真=山元茂樹