気兼ねなく、心地よく。客室と食への細やかな配慮

本館の客室は、和室から洋室までグレードごとに計43室5タイプが用意されており、宿泊したのは半露天風呂付きのツインベッドルーム。1部屋につき小・中型犬2頭まで泊まることができ、布団の中に潜り込まなければ、愛犬をベッドの上に乗せるのはOKというルールも寛大。日頃、飼い主と一緒に寝ているワンちゃんにとっては、旅先でもケージに入らず寄り添って眠れる幸せも味わえる。

ツインベッドの間には、スタイリッシュなドッグ用ベッドも設置されているので、横になりつつ視界に入る距離で愛犬を見守ることができて安心。

併設の半露天風呂にあえて温泉が引かれていないのは、硫黄泉の香りが犬にとって刺激になり過ぎないようにとの配慮から。どこまでも細やかな気遣いに、愛犬ファーストの姿勢が感じられる。



なにかと荷物が多くなりがちな犬連れ旅も、アメニティが充実していれば、手ぶらに近い感覚で泊まることが可能に。ドッグファーストでありながら、スタイリッシュな洗面台や蓋つきのゴミ箱、最新の空気清浄機といった設備にも細かな配慮が行き届いていて、飼い主にとっても部屋で過ごす時間は快適そのもの。

その他、館内には約60台もの貸し出し用ペットカートが完備されている。25kgまでの中型犬が乗れる低めのカートも備わっているので、ビッグサイズの犬種でも安心。さっそくカートを借りて、愛犬と一緒に夕食会場へ。

夕食はハーフビュッフェスタイルで、愛犬とともに楽しむことができる。せっかくの旅行で、愛犬を部屋でお留守番させることなく、一緒に楽しめるのもドッグファーストな宿で過ごす醍醐味。


宇都宮餃子や日光ゆばなど、ご当地の美食をはじめ和洋中のお惣菜、現地の野菜を使ったサラダやデザートまで、豊富なメニューが並ぶ。ビュッフェのほか、夕食には栃木産食材を使用した牛しゃぶ鍋もセット。火を点けた瞬間にとろける、ワンコを模した豆乳コラーゲンスープも可愛げたっぷり。

ワンちゃん用のビュッフェは、魚やお肉のほか、ブロッコリーやにんじんなどの野菜やスープ、ヨーグルトまで並ぶ充実ぶり。ケースの横には重りも備えてあり、食事量や栄養バランスの管理が必要な子にも配慮されている。


2025.05.29(木)
文=栗原うらら
写真=榎本麻美