ライフプランに合わせた月経コントロールという選択

――現在、日本ではミニピルは自由診療でオンラインでの購入もできるようですが、注意しておきたいことはありますか?
八田先生 海外では一般的に使われているお薬ですし、月経をコントロールしていくということにおいても検討に値すると思います。ただ、ミニピルは自由診療なので、服用して何か起きた場合も自己責任であることは肝に銘じておきましょう。極端に安かったりアフターケアやフォロー体制に不安を感じたりする場合は、より信頼できるクリニックを探す努力はしていただきたいです。
オンラインでの診療は働く女性の強い味方であることは理解しますが、最低でも年1回は医療機関に足を運び、子宮と卵巣の状態を診てもらうなど定期的に婦人科検診を受け、自分の体の状態を理解しながら服用することが必要です。
――最後に、ピルの服用を迷っている方にアドバイスをお願いします。
八田先生 現代の医学では、月経周期に合わせて心身のトラブルが発生することを考えると、ピルを服用して排卵を休ませ、子宮内膜を厚くさせないよう月経をコントロールするのがいいだろうという考え方が主流です。
そもそも月経は妊娠するために女性の体に備わっている機能で、妊娠の予定がない時期に必ずしも月経がある必要はないわけです。まずは、自分の人生において子どもがほしいのかどうか、もし産むとしたらいつ頃がいいのかなど、ご自身のライフプランを考えること。そして、赤ちゃんがほしいと思った時にすぐに妊娠できる体にしておくことをもっと前向きに考えてほしいのです。
自分の体の一番の理解者は自分です。親でもパートナーでもありません。今は月経トラブルを改善できるよいお薬がたくさんありますから、毎月の月経に支配されることなく、自分はこれからの人生をどうプロデュースしていくかを考え、自身の体を大切にして自分らしい選択をしていただきたいです。
》血栓症のリスクを心配せずに飲める「ミニピル」とは? 月経困難症の新たな選択肢

2025.04.18(金)
文=今富夕起
写真=Aflo