「パク・ソヌという人物にとって、実は正義はそれほど重要ではない」

――新人刑事パク・ソヌという役柄について、どのような印象を受けましたか? 演じていて難しかった点はどこですか?

チョン・ヘイン パク・ソヌというキャラクターは平面的なわかりやすい人物ではないため、理解して分析するのが容易ではありませんでした。演じるにあたり複雑で表現しにくい部分が多かったですが、撮影に入る前から監督と意見をたくさん交わし、次第に彼のキャラクターが鮮明になっていきました。

――新人のパク・ソヌもベテランのソ・ドチョルも、正義のためには行きすぎるところがあり、クリント・イーストウッドが演じたダーティハリーを思い出しました。その部分をどのように理解して、演じられたのでしょうか?

チョン・ヘイン 結果的にパク・ソヌという人物にとって、実は正義はそれほど重要ではないと思います。自分が望むことをしなければならず、状況と環境を自分の思い通りに操縦したいという欲求が強い人物です。それを重点的に考えて演技しました。

――リュ・スンワン監督の映画に出演が決まった時、どのようなお気持ちでしたか?『ベテラン』という大ヒット作の続編ということでプレッシャーなどはありましたか?

チョン・ヘイン リュ・スンワン監督の映画を観て育った人間として、俳優として、監督の作品に出演することは大きな幸運であり、光栄でした。大ヒット作の続編への合流なのでプレッシャーはありましたが、実際に撮影が始まってからは毎日撮影に集中したため、負担感は消えてうまくやってみようという気持ちだけでした。

――リュ・スンワン監督の撮影現場というのはどんなものなのでしょう?

チョン・ヘイン 撮影現場はいつも情熱に満ちていました。アクションシーンが多かったですが、常にリハーサルを十分に行い、安全点検も細心に気を使ってくださって、安心して演技することができました。監督は俳優が持っている長所をうまく引き出してくれる方で、大変感謝しています。

2025.04.12(土)
文=石津文子
写真=細田 忠