現役のはんぎりもすべて手作り! 高度な職人技が光る
そもそも、はんぎりはどのように作られているのか。実際に体験する前に、まずははんぎり職人を務める金子さんに話を聞くことに。
はんぎりの大きさは、直径約1〜2メートル程度。一艘につき40枚くらいの杉の板が使われており、楕円形に切り取られた舟底に合わせて側面を組み立てていきます。円柱状に隙間なく組み立てるため、板をカンナで削り丸みをつけなければならず、そのバランスを取るのがとても難しいそう。
和製舟の技術に加えて、木が腐りにくい面を水に接するように部材を配置したり、竹タガと竹釘で部材を接合したりするなど、桶樽の製作技術が取り入れられている点も特徴です。
最盛期は、小木半島には多くのたらい舟職人が存在しましたが、次第にその数は減少。一時は職人がいなくなってしまい、製造が途絶えたこともあるそうです。
そこで貴重な伝統文化を途絶えさないため、はんぎりによるクルージングを事業化。さらに手づくりで舟の製造を行うことで、その技術を後世に引き継いでいるのです。
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- 文=CREA編集部
写真=佐藤亘
動画=VECKS
ヘアメイク= 中嶋竜司
スタイリング=伊藤省吾 - keyword
