星のや竹富島 集落との絆が生み出す唯一無二の滞在

 島全体が種子取祭のために一丸となっているそのとき、集落から車で5分ほどの星のや竹富島では、この時季だけの特別な趣向でゲストをもてなします。

 昨年(2024年)は年11月1日から25日にかけて、竹富島の魂にふれる「たなどぅいプログラム」を開催。伝統建築を尊重した琉球赤瓦の建物が連なる旅人たちの “集落” で、その先の沖縄を体験する滞在を実現しました。

 古老たちから種子取祭の話を交えながら古い島の暮らしを伝え聞く「島語り」、祭りにゆかりのある縁起のいい食材をちりばめた「種子取祭朝食」、島の文化に精通したスタッフが案内する「奉納芸能ツアー」など、いずれも貴重な体験ばかり。

 また、さらにその先のプログラムとして用意されたのが、奉納芸能初日の夜から翌日の早暁にかけて夜通し行われる、豊穣と幸福を祈る儀式「世乞い(ユ ークイ)体験ツアー」。星のや竹富島に滞在するからこそ参加できる、極めて希少なものです。

 夜の帳が下り、わずかな光のみが灯る静寂な集落に厳かに響く銅鑼と太鼓の音……。やがて頭には白鉢巻き、伝統的な着物をまとった集団が世乞い唄を唱えながらやってきました。

アガルピャーシュ(湧き上がる拍手よ)、ムチキャルピャーシ(豊作到来の拍手)

 家々の庭に迎えられた人々の流れは、ひとつの渦となり、さらに打ち寄せる波のように踊り出します。

 笑顔と興奮、神秘と熱気、喧噪と祈り……、これらが渾然一体となった非日常の光景に心打たれることでしょう。

 そして島人の手招きに誘われて踊りの波に身を任せれば、古くからこの地で受け継がれてきた「うつぐみ(一致協力)」の心を胸に刻む体験となるのです。

 島という隔絶された空間で脈々と受け継がれ、独自の文化として人々を魅了する種子取祭。この祭りの深奥をゲストが体感できるのも、実は長い歳月をかけて集落とリゾートが深めてきた絆があるからこそ。

 開業から13年、今や島の風景のひとつとして落ち着きと風格を醸す星のや竹富島では、島のさまざまな行事にも一致協力してきました。当初は2名だった島に住むスタッフも現在20名となり、島民として集落の暮らしに溶け込みます。

 さらに島との絆を象徴するのが、祭事のなかで大切な意味をもち、奉納芸能の舞台で神に捧げられる伝統作物・粟。

 途絶寸前だった島での粟栽培を、星のやの「畑人(はるさー)」が復興し、現在では、昔ながらに竹富島産が種子取祭に奉納されています。

 そんな秘められたストーリーを知れば、奇跡の島での滞在はさらに格別なものとなるに違いありません。

 また、伝統的な木造帆船「サバニ」に乗って素晴らしい海を楽しむプラン、医師監修による “疲弊脳” を島時間のなかでリセットするプログラムなど、魅惑的な提案が豊富な星のや竹富島。

 2025年も種子取祭の時季には特別なプログラムを用意してゲストをお迎えするとのこと。ここには、いつでも唯一無二の沖縄があるのです。

 ※2025年の「たなどぅいプログラム」は9月ごろに発表予定。

星のや竹富島

電話番号 050-3134-8091(星のや総合予約)
宿泊料金 1室 147,000円~(食事別)
アクセス 石垣港よりフェリーで約10分、竹富港から送迎あり
hoshinoresorts.com

Column

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2025.04.02(水)
文=矢野詔次郎
写真=小野祐次

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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