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録る番組を選ばなくちゃいけなかった時代

――ちなみに、真里さんはナンシーさんとはどんな会話を? 姉妹の会話は?

真里 どうでしょう。そんなにしゃべらないんだけど、投稿とは別に、「ジャイアント馬場がどれだけデカいか」みたいな話はしてましたよね(笑)。

 あと、お姉ちゃんが雑誌の仕事を始めてからは、ごくたま~に、ネタに困ったりすると聞いてくることはありました。週刊誌が2本重なったりすると、違うテレビのことを書かなきゃいけないのにネタがない、みたいなこともあったんだと思います。

 そんなときに「最近観たCMで気になったのない?」とか。あと、「ヒデキの、あのCMなんだったっけ」とか「あの曲の歌詞、なんだっけ」とか。私がヒデキ派だったから聞いてきたんだと思いますけど(笑)。

いとう いまは検索すればなんでも出てくるけど、当時はそういったちょっとしたことを調べることがものすごく手間だったし大変だったもん。

真里 そうなんです。ちょっと気になったCMも、それがいつまた流れるのかがわからないから、ビデオで録っておくしかないっていう。

いとう 最高で何台ビデオデッキがあったの?

真里 テレビデオが2台、ビデオデッキは2台。でも、全局録ることはしてないんです。いまは同時間の番組も録れるけど、昔はそれができなかったから、録るものを選ばなくちゃいけなかった。年末年始に青森に帰るときは、3~4日分の番組をどれを録っておくべきか、すごく悩みながら決めてました。

町山 いまこの大変さ、なかなか伝わらないですよね(笑)。

「あさ虫温泉フェス ~音楽とトークと湯~」

かつて棟方志功、太宰治が愛した青森・浅虫温泉街の中に、同県出身の消しゴム版画家・ナンシー関の菩提寺があることから企画が生まれたフェス。ライブ、トークイベントのほか、いとうせいこう氏キュレーションによるナンシー関作品の特別展示もあり。5月17日(メイン)、5月18日(後朝祭)の2日間開催。今後、さらに盛り上がる追加情報を発表予定!
https://www.asamushifes.com/

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2025.04.01(火)
文=辛島いづみ
撮影=平松市聖