#319 Whiteheaven Beach(Australia)
ホワイトヘブンビーチ(クイーンズランド州、オーストラリア)

 世界200カ国以上を網羅する旅行ガイドの「ロンリープラネット」が「Best in Travel 2025」を発表、その中で「トップ10 ベストビーチ」が紹介されました。ロンリープラネットの旅のスペシャリストが選んだ10カ所です。

 栄えある1位に選ばれたのは、オーストラリアの「ホワイトヘブンビーチ」!

 世界遺産のグレートバリアリーフの一角で、クイーンズランド州の沖に浮かぶウィットサンデー諸島にあります。74の諸島の中で最も大きいウィットサンデー島の東側、一直線に約7キロにわたりのびているのがホワイトヘブンビーチです。

 厳密にいえば、ホワイトヘブンビーチの中でも北端に位置する“ヒル・インレット”という入り江が、奇跡のような絶景の舞台です。

 サファイアのように澄んだ海と、純白のシリカサンドが潮の満ち干きによってマーブル模様を描くのです。渦を巻いたり、青と白が混ざり合ったり、青の濃淡が移ろったり。潮の動きによって刻々と模様が変わり、同じシーンは二度と見られません。

 このマーブル模様の美しさ、海の透明度もさることながら、98%が真っ白なシリカサンドで構成されている砂によるところが大きいでしょう。シリカサンドとは石英が細かく砕けたもので、透明度こそ違うけれど、水晶と同じもの。日本では和歌山県の白良浜などで見られる、目に眩しいほどの白砂はシリカサンドだったりします。

 ただ、興味深いのは、ヒル・インレットの砂はシリカサンドでも、同じウィットサンデー島の他のビーチの砂はサンゴや貝殻の欠片だったりすることです。そのため、クイーンズランド州の沖を流れる海流によって運ばれてきたのでは、と考えられています。その量、推定8億トン!

 その一方、真っ白なシリカサンドが沖の海底から湧き出ているとの言い伝えもあるとか。

2025.02.22(土)
文・撮影=古関千恵子