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人文学の論文は、何の要素をどう盛り込めば論文たり得るのか。それを満たすためにはどうすればよいのか。本書は、論文の書き方を超実践的に教えてくれる。その記述はまるで、考え抜かれた料理のレシピのよう。やなせたかしの『アンパンマン』を題材に、論文完成までの工程が徹底的に要素分解されており、センスや勘に頼ることなく、誰もが論文を書き進められる方法が提示されているのだ。巻末には演習問題集も。
著者は筑波大学人文社会系助教で、専門は日米文化史。本書は初の単著だ。
「約7年前、僕はまだ大学生だったのですが、たまたま著者のツイッター(当時)とブログを見つけ、その内容と文章の面白さに、思わず前のめりになって読みました。その後もフォローを続け、光文社に入社して即オファーを出したんです」(担当編集者の江口裕太さん)
大学生協での売り上げが好調で特に東大・京大生に読まれているほか、都市の大型書店を中心に30代から40代のビジネスパーソンによく売れているそう。
「本書は説得力のある文章の書き方や、頭の良い人の思考法も学ぶことができます。社会人にはそこも魅力なのでは」(江口さん)
終盤では人文系の研究意義と、書き手個々の人生における論文執筆の意味が深掘りされていく。論文を書かない者にとっても、目を見開かされるような展開だ。
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まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書
定価 1,980円(税込)
光文社
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2025.03.02(日)
文=山田由佳