縮毛矯正は髪が痛む?

 縮毛矯正がポピュラーになった1990年代後半〜2000年代中頃までは、一大「シャギー」ブーム。ツンツンな毛先にするためにウェーブの少ない髪質の人に縮毛矯正を施すことも一般的でしたが、その結果「髪がすごく傷んだ」という経験をした方が多いはずです。

 縮毛矯正は、薬剤の効果とストレートアイロンの「熱」を利用し、ウェーブのある髪を真っ直ぐにする技術です。それ故、ダメージは避けられません。加えて、昔は「薬剤を使って傷むのは当たり前」という風潮もあり、必要以上に髪がダメージを負ってしまうことが多々ありました。

 しかし、薬剤の進化により、近年はダメージは軽減されていますし、自然なストレートヘアも可能になっています。それでも縮毛矯正をした髪は、ヘアカラーとの併用をするとダメージが蓄積します。特に白髪染めをする方は髪への負担が大きく、年齢と共に髪の耐久性も弱くなるため、ダメージを感じやすい傾向にあります。

最近よく聞く「酸性ストレート」ってなに?

 近年、縮毛矯正(ストレートパーマ)の代替として、一気に注目度が高まっている「酸性ストレート」。SNSで「艶髪ストレートヘア」などといった文言と共に、「酸性ストレート」の画像や動画が拡散されているのを見たことがある人もいるかもしれません。

 近年ストレートスタイルの人気が再燃していることもあり、美容室でも群を抜いて需要が伸びています。まだ比較的新しいメニューですから、気になっている方も多いのではないでしょうか?

 酸性ストレートの最大の特徴は、従来の縮毛矯正よりダメージを抑えられることです。それも、従来では考えられないほどに負担が少ないため、例えばブリーチ毛(一回ブリーチを施した程度であれば)でも施術が可能です。

 髪へのダメージをほとんど感じない上に柔らかい手触りになるため、「髪質改善」という言葉と共に、まるで魔法の薬であるかのように広まっています。「トリートメント」とまで表現している美容室も散見されますが、これはやや誇張が過ぎるかと思います。

2025.02.16(日)
文・イラスト=操作イトウ