縮毛矯正をかけないと「清潔感が保てない」と感じる理由

 縮毛矯正を定期的に続けている人の中には、「かけないと清潔感が保てない」と感じている人も少なくありません。これには、アジア系の髪質が関係しています。

 ウェーブのある髪質の人の多くは、髪が広がったりモケモケになったりすることに悩んでいます。ウェーブの度合いは人それぞれですが、特にアジア系に多いのが、ウェーブの中でも「捻転毛」や「連珠毛」と呼ばれる髪質です。

 捻転毛や連珠毛は、単に波状であるだけのウェーブの髪質(「波状毛」と呼びます)とは異なり、髪一本一本がねじれていたり、太さが不均一に生えてきたりします。これらの髪質は艶が出ず、手触りも硬く感じやすい。更にヘアスタイルのフォルムが膨らむため、不規則な見た目になりがちです。

根元が伸びてくると、頭が四角く、大きく見える

 こうした髪質の方が縮毛矯正を施した後、根元がある程度伸びて元の髪質が出ると、髪のフォルムが崩れやすくなります。

 特に頭頂部の分け目部分は、根元の毛のボリュームが目立ちますが、縮毛矯正をかけた毛先にはボリュームが無いため、境目がカクッとし、四角いフォルムになります。すると、頭全体が大きく見えるようになってしまいます。

「捻転毛」「連珠毛」はコンプレックスになりやすい髪質

 そしてこれらの髪質は、パーマで作るウェーブやカールとも印象が異なります。美容師としても、縮毛矯正をかけずに一般層に支持される「なりたいヘアスタイル」に仕上げることが難しく、また、この髪質に適した「クセを活かしたスタイル」の提案も中々できません。

 これらの点から、ほとんどの方にとってこの髪質はデメリットにしかならないのです。必然的に、多くの方にとっての「なりたいヘアスタイル」を再現するには、縮毛矯正でクセを伸ばした後、といった工程になるのです。

 この髪質のアジア人は珍しくないため、多くの方が髪の悩みやコンプレックスとして抱えています。くせ毛に悩んでいる方が「伸びてきたから“直したい”」という考えになるのも納得で、伸びると「清潔感が保てない」と感じるのも当然といえます。

2025.02.16(日)
文・イラスト=操作イトウ