昨年夏に誕生した、アジアスイギュウの「さち」
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多摩動物公園では昨年7月、アジアスイギュウも誕生しました。
2021年に沖縄県竹富町から来園したお母さんの「まる」とお父さんの「幸吉」の間に生まれた子どもは、「さち」(メス)と名付けられました。
人の少ない午前中、放飼場を覗くと、日の当たる場所で寄り添って寝ている母子の姿が。小声で会話するものの、お母さんのまるにはしっかり聞こえているよう。頭を起こし、私たちのほうへ視線を向けて注視していましたが、安全と判断したのか、再び横になります。
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お母さんのまるには大きな2本の角がありますが、さちの頭にもすでに角のような小さな突起が。現時点では毛の色や毛並みも大人とは異なるさちが、今後どんなふうに成長していくのか。また足を運んで、大人になる姿を見たいという気持ちが強くなりました。
動物園は、野生動物を近くで観察できる貴重な場所です。訪れる際は、どんなことに気をつければいいのでしょうか。多摩動物公園の教育普及係の方に伺いました。
「皆さんで利用いただく施設なので、いくつか禁止事項があります。とくに、飼育動物に向けてのフラッシュ撮影は禁止ですし、動物への病気の感染を防ぐために、ペットと一緒の入園はできません。動物たちが気持ちよく暮らせるように観覧していただきたいと思います」
基本的なマナーを守って、動物たちへのリスペクトや感謝を忘れずに観察したいものですね。
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今回、アムールトラ、インドサイ、アジアスイギュウを中心に取材しましたが、ひとつの種を数時間じっくり観察することによって、新たな発見がたくさんありました。また、土日は混雑している多摩動物公園ですが、冬の平日、さらに午前中ということもあってか、来園者も多くなく、動物たちもまったりと各々のルーティンを行っているのが印象的でした。
動物園で見られることで身近に感じる野生動物ですが、生息地ではさまざまな問題も。動物たちの美しい姿を見ながら、自然や環境などについて自分なりに考えてみてもいいかもしれません。
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2025.02.16(日)
文=高本亜紀
写真=松本輝一