のどかな田園風景が広がる花東縱谷、鳳林集落へ
花蓮県の中部、鳳林にも芸術祭のサテライト展示場があります。鳳林は花蓮駅から在来線の各駅停車で40分の距離にある、のどかな田園風景が広がる集落です。
日本統治時代には官営移民村として整備され、日本からの移民も大勢暮らしていました。集落の外れには、神社遺跡が郷土史跡として保存されています。
現在は客家系住民が多く暮らしており、駅周辺には客家料理の食堂もあります。展示場となっているのは、駅から少し離れたピーナッツ食品店の「美好花生」。ここのオーナーは1ページ目でご紹介したカメラマンの鍾順龍さんで、数年前に家族と一緒に故郷へ戻り、現在はピーナッツ農家を営んでいます。
店では、ピーナッツ菓子やピーナッツバター、ピーナッツ味のソフトクリームなどを販売しています。ギャラリーも併設されており、ここには家族のスナップや畑の様子など、身の回りの風景を撮影した写真が展示されています。
畑の中にポツンとある一軒ですが、地震前は大勢の行楽客が遊覧バスに乗って訪れていたとのこと。現在、その数は激減しているとのことですが、「ピーナッツのように大地に根を下ろして生きていく」という鍾さんの思いは変わらないそうです。
「美好花生」の商品は台北市内のセレクトショップなどでも購入できますので、ぜひチェックしてみてください。パッケージも素敵なので、お土産にも喜ばれるはずです。
2024.12.28(土)
文・撮影=片倉真理