警察組織、政治、巨大企業――複雑に絡み合う社会の歪みに、3人の男たちが命を懸けて挑むPrime Originalドラマシリーズ『犯罪者』。高橋一生さん、水上恒司さんとともに事件の真相を追う元テレビマン・鑓水七雄を演じた斎藤工さんに、共演者との関係性や徹底したリハーサルで生まれたもの、そして俳優という仕事と社会活動のつながりについて聞きました。
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高橋一生さん、水上恒司さんとの共演は三角関係のようだった
――本作は3人の男たちが互いを支え合いながら巨大な闇に立ち向かう物語です。高橋一生さん、水上恒司さんとの共演はいかがでしたか?
3人って不思議で、誰か2人が会話をしていると、必ず1人が少し外れるじゃないですか。でも、その外れた1人の存在を残りの2人が自然と意識するんですよね。今回は4人ではなく3人だったからこそ、そのバランスが常にあって。どこか三角関係のような心境でした。
事件解決に向けてここまでエネルギーを注ぐ理由を考えてみると、ある意味では恋愛にも似ているのかな、とも思います。高橋(一生)さんも水上(恒司)さんも、語らずとも言葉を持っている役者さんなので、そこに確かな説得力がありましたし、たくさん刺激をいただきました。
――松永大司監督はすごく丁寧にリハーサルを重ねるそうですね。準備を重ねることで見えてきたこともありましたか?
僕自身、監督として現場に立つこともありますが、リハーサルをやりたくても役者さんたちの予定が合わなかったり、そもそもの制作条件に含まれていなかったりすることもあって、リハーサルをやりたくても十分な時間を確保できないことも多いんです。
全員集まってリハーサルをするとまではいかなくても、俳優らとスタッフさんたちがディスカッションを重ねたり、撮影までの課題を共有したりするだけでも、だいぶ変わってくるんじゃないかと思います。やっぱり演技って、どれだけ準備出来ているかが結果に直結するんですよね。
とくに、はじめましての方々が集まる現場においては、準備はとても有効です。今回の松永組のような環境がもっとあれば、さらに良くなった作品もたくさんあったんじゃないでしょうか。
――どの仕事においても事前準備は大切ですよね。
生成AIを使えば、驚くほど早く作れるんでしょうけど、明らかにAIを使った企画書をもらうと愕然としてしまいます(笑)。「AIっぽくしないで」と指示をすることも諦めてしまったのかな、と。先日、田植えに参加したんですが、農業って準備から収穫まで本当にたくさんの工程があるんですよね。そういうプロセスは、一度体験してみる価値があると思うんです。
昭和生まれの人間としては、今の時代の速度感ってちょっと恐ろしいものがあるんですよね。もちろん準備やプロセスに時間をかければいいってわけじゃないですけど、準備や過程があまりにも脆弱だと、完成したものにも影響してきてしまう気がします。
