『ガリレオの苦悩』(文春文庫)には、湯川が、ペンションを経営する大学時代の友人に呼び出されて、「不可解な事件」の相談を受ける「密室る(とじる)」という名作が収録されている。この短篇の現場には草薙も内海も登場しない。マリンさんの<密室る(とじこめる)>は、密室から3人がどうやって脱出するのかを読みたい、というものだった。このタイトルから、福山さんは、『キューブ』(CUBE)――立方体の部屋が繋がっている空間に突然放り込まれた人々の脱出劇を描く映画――を連想したという。「映画『キューブ』は怖かった。大人になればなるほど、怖い作品が楽しめなくなる。昔は大丈夫だったのに、虫を触れなくなるのと同じですね」とコメント。 

 そのほか<妖艶る(しなる)>、<凸凹る(パズる)>、などが寄せられた。

 興味深い応募作が集まったため、「地底人ラジオ×ガリレオ賞」の選考は混迷を極めた。

 

リスナーから応募が多かった“まさはる”も選考の議論に!

(福山)「地底人ラジオ賞……。どっち側に行きます? 実現性が高いものでいくか、それとも……」

(荘口)「いいタイトルが集まりましたからねぇ。さぁ福山さん、決めてください」

(福山)「それでは、で(笑)。これは湯川先生が一人二役をするんです。容姿はまったく同じだけど、中身は違う人物が出てくる」

(荘口)「リスナーからも、いろんな漢字をあてながら、という応募が多かったんですよね」

 熱烈な応募があった<まさはる>だが、「このタイトルを、自分が東野さんにプッシュするわけにはいかない」(福山さん)という“ガリレオの苦悩”を経て、残念ながら落選に!

 濃厚な議論を経た結果、最終的には<密室る>と書いて、「とじこめる」が、「地底人ラジオ×ガリレオ賞」に決定。

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』(東野圭吾/光文社文庫刊)を原作とする映画『ブラック・ショーマン』で、個性的な超一流マジシャンを演じることも発表された福山さん。

 東野圭吾さんと福山雅治さんのコラボレーションに今後も注目だ。

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 このたびは、1万人を超える方々からご応募をいただきました。心より感謝申し上げます。

 全てのタイトルを東野圭吾さんに届け、厳正な選考の上、12月6日に発表させていただきます。

透明な螺旋(文春文庫 ひ 13-14)

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文藝春秋
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2024.11.26(火)
文=「文春文庫」編集部