東野圭吾氏によるガリレオシリーズ最新文庫『透明な螺旋(らせん)』が、9月4日に発売となります。

 同シリーズは、変人にして天才の物理学者・ガリレオこと湯川学が、不可解な事件を科学の知識によって解決していくミステリー。累計1500万部を突破した人気シリーズの第10作が文庫化されることを記念して、東野さんから読者への「サプライズ・プレゼント」が実施されることに!

「東野圭吾を爆流らせろ(バズらせろ)!?」

 この企画は、【読者から「ガリレオ」短篇のタイトルを募集し、東野さんが「実に面白い」と感じたタイトル一作について、新作を執筆する】というものです。

「刑事は奇怪な事件を抱えて天才物理学者の扉を叩く」のキャッチコピーとともに、ガリレオシリーズ第1作(単行本)が刊行されたのは、1998年5月。

 ここに登場する短篇のタイトルは、「転写る(うつる)」「壊死る(くさる)」「離脱る(ぬける)」など、漢字+送り仮名という特別な読み方となっており、独特の世界を表現しています。

「ネタ切れで、アイデアも残っていない」という東野氏の苦悩

 シリーズ第4作『ガリレオの苦悩』の刊行に際し、東野さんは、科学トリックミステリーゆえの苦しみをこう語っています。

「タイトルに苦悩を入れたのは、作者の本音からです。心底苦労し、悩みぬきました。もう本当にネタ切れで、アイデアの欠片も残っていませんでした」(『オール讀物』より)

 

「こんなタイトルを待っています!」

 担当編集者は「その後も、長篇『沈黙のパレード』や、短篇集『虚像の道化師』などの新作が続々と刊行されており、東野さんの『アイデアが枯渇した』という言葉は信じがたいのですが……」と話しています。

 このたび刊行される最新文庫『透明な螺旋』では、誰も知らなかったガリレオの秘密が明かされ、 人と人との「絆」について深く考えさせられる物語となっています。

 この文庫には、最新長編に加えて、短篇「重命る(かさなる)」が特別収録。読み終えた後に、言葉の意味が胸に響く、ガリレオシリーズならではのタイトルとなっています。

2024.08.18(日)
文=「文春文庫」編集部