
いつの時代も“食のワンダーランド”として横浜中華街がもてはやさるのは、本場の技術を持つシェフたちによる独創的な“創作料理”が食べられるから。中華の王道料理である麻婆豆腐も中華街の敏腕シェフたちの手によれば、あっと驚く一品に!
麻婆豆腐が大好き! という人にほど注目していただきたい“進化系”麻婆豆腐を、横浜中華街を熟知するグルマンたちに案内してもらいました。おいしいのはもちろん、誰かに話したくなるようなユニークな味をご紹介します。
◆美心酒家の、エンタメ系「麻婆豆花」

「美心酒家は路地裏に佇む店ながら、中華街でイチ押しの広東料理店です」と、推しの隠れ家を教えてくれたのは「ホテルニューグランド」の副総支配人・谷口謙一郎さん。ここは、香港料理の魅力を最大限に引き出す土鍋料理や、香港麺などのおいしさで知られる小さな名店です。
「ここではスタッフが卓上で豆腐を作って目の前で仕上げてくれる、土鍋仕立ての麻婆豆腐が味わえます。餡の辛さはしっかりあるけど、キノコや赤ピーマンなど野菜の食感をほどよく残しているのと、数種の唐辛子をブレンドした深みのある旨みが辛さを和らげてくれます。さらに出来立ての豆腐で、餡の口当たりもマイルドに。豆腐の繊細な風味や甘みをちゃんと味わえる、素材を活かす広東料理の基本が守られた一品。絶対におすすめです!」(谷口氏)



豆乳から豆腐を作り、餡をかけて自分ですくって味わう。目の前で完成するライブ感もさることながら、豆乳の甘い香り、肉餡の花椒や唐辛子の香りなど、めくるめく目と鼻のおいしい刺激でワクワクと食べたい気持ちは最高潮に! 見た目は真っ赤で相当に辛そうだが、サラサラッと食べられるので、女性客の人気も非常に高いそう。


美心酒家(ビシンシュカ)

所在地 神奈川県横浜市山下町139-1 龍華ビル1F
電話番号 045-228-9888
営業時間 11:00~22:00(L.O.21:30)
定休日 水曜(祝日の場合は前後不定休)
アクセス みなとみらい線元町・中華街駅より徒歩5分
2024.10.09(水)
文=嶺月香里
写真=鈴木七絵