なお今回紹介しているのは1ペダル仕様ですが、2ペダルや3ペダル仕様の製品も存在します。もっとも前傾姿勢で使うことが多い一般的なデスクでは、車のシートに深く座ってアクセルとブレーキを踏み分けるのと異なり、複数のペダルを踏み分けるには毎回足を持ち上げなくてはならないため、こうした製品では操作ミスも起こりがちです。基本的には1ペダルの利用にとどめておいたほうがよいでしょう。

 

使い方その1:サボりの痕跡を上司から隠す

 では実際に、お勧めの使い方をいくつか紹介していきます。ひとつは、他の人に見られては困る操作を、一瞬で隠す用途です。

 例えば、仕事中にネットを閲覧するなどサボりをしていた時、上司が後ろから覗き込んできたとします。この時、ペダルを踏むことによってすべてのウィンドウを非表示にする割当をあらかじめ行っておけば、何食わぬ顔をしてペダルを踏むことで、サボりの痕跡を瞬時に抹消できるというわけです。

 本製品を使う強みは、デスクの下で足を使って操作を行うため、操作したことを相手に悟られにくいことです。こうした機能は、別名「ボスが来た(Boss key)」と呼ばれることがあるほどで、Windowsよりも前、DOSの時代から根強いニーズがあります。USBフットペダルの用途を問われたら、まずこれが思い浮かぶ人も多いはずです。

 実際のキー割当としては、全ウィンドウを最小化する[Windows]+[D]でもよいのですが、これだと画面から一切のウィンドウがなくなるという、極めて不自然な状態になってしまいます。Windowsの仮想デスクトップで用意しておいた別の画面へと切り替える[Windows]+[Ctrl]+[→]のほうが、いかにも別の作業を行なっていたように偽装できてよいかもしれません。

 

使い方その2:とっさの場合の音量ミュートや画面ロックに使う

 前述の「ボスが来た」系の機能もそうですが、PCを使っていると、何かあった時にはこのキーを瞬時に押すべし、という操作がいくつもあります。踏むだけで決まった操作を実行できるUSBフットペダルは、こうした用途に向いています。

2024.09.06(金)
文=山口真弘