この記事の連載

いちばんのおすすめは?

――日本で行ったことがある温泉、印象に残っている温泉を教えてください。

 静岡県の伊東や下田、千葉県の養老渓谷、兵庫県の城之崎、香川県の小豆島など、全国あちこち行っています。なかでも、小豆島の温泉は湯船から海が眺められて、お湯も海水みたいにしょっぱくて、特に印象に残っていますね。温泉ではないですが、京都の銭湯にも行ったことがあります。

――今後行ってみたい日本の温泉はありますか?

 今回の日本滞在中に、長野県の上諏訪温泉にある「片倉館」に行く予定です。というのも、本の中で紹介している「北投温泉博物館」と片倉館は設計した建築家が同じで、とても似た造りの立ち湯の大浴場があるんです。北投温泉博物館は見学のみで入浴はできないのですが、片倉館は入浴できるのでそれが楽しみで楽しみで。今まで、“立ち湯”というものに入ったことがないので、とても興味がありますね。

――日本の読者が台湾の温泉に行くとしたら、どこがいちばんおすすめですか?

 今回紹介している温泉の中だと、「北投温泉」がおすすめですね。台北から公共交通機関で行けて、最寄り駅のすぐ目の前が温泉街という利便性のよさで、個室温泉や温泉銭湯、24時間営業や高級温泉まで、選択肢が多いのも魅力です。たまに、日本人の旅行者に会うこともあって、台湾のおばさんたちが懸命に話しかけて交流しようとしている光景にもほのぼのします。

 実は今、『台湾はだか湯めぐり』の続編の取材を進めているのですが、今後紹介予定の台湾北東部にある宜蘭の礁渓温泉もおすすめです。台北から電車やバスで40~60分で行けて、町全体が温泉街になっているので観光も楽しめますよ。

2024.09.04(水)
文=田辺千菊(Choki!)
写真=石川啓次