この記事の連載
- 捲猫さんインタビュー #1
- 捲猫さんインタビュー #2
- 捲猫さんインタビュー #3
- 『台湾はだか湯めぐり-北部篇』より
今年6月、台湾の「裸で入れる湯」を詳細にレポートしたコミックエッセイ『台湾はだか湯めぐり 北部篇』(中央公論新社)を刊行した台湾出身の漫画家・捲猫(まきねこ)さん。刊行を記念して、台湾より来日した捲猫さんにお話を伺いました。
台湾の温泉は水着を着用するのが一般的
――まず、タイトルの「はだか湯」が目を引きますが、台湾では一般的な呼び方なのでしょうか?
台湾の温泉は水着を着用するのが一般的なので、裸で入れる湯は「はだか湯」と呼びます。台湾では、温泉の近くで育った人たちは子どもの頃からはだか湯に慣れていますが、都市部で育ったり、近所の温泉が水着着用の場合は、裸で入ることに慣れていない人がほとんど。かくいう私も、はだか湯の文化に触れずに育ったので、大人になるまで入ったことがありませんでした。
――捲猫さんのはだか湯デビューはいつですか?
実は、はだか湯に入ったのは日本が初めてでした。今から20年も前のことになりますが、当時、私は会社勤めをしていて、日本で開催されていた愛知万博の視察に行くことになり、そのとき泊まった旅館に大浴場があって。それで、同僚と一緒に入ってみたものの、裸の人たちに囲まれて緊張して、首から下に視線を落とさないようにするのに必死でした(笑)。
――それが今では、はだか湯めぐりが趣味に。ハマったきっかけはありますか?
もともと私の母が温泉好きで、母と一緒に日本を旅行するようになって温泉に入る機会が増えました。母は観光もそこそこに、早い時間から「そろそろお風呂に行きましょうよ」と誘ってくるので、日本滞在中は温泉に入ることが日課に。それで私もすっかり温泉が好きになり、お湯に浸かると疲れも消えていったので、5年ほど前から台湾ではだか湯めぐりを始めました。
2024.09.04(水)
文=田辺千菊(Choki!)
写真=石川啓次