●生田斗真の役作りに対する姿勢に憧れる

――翌16年には、人気アニメ『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』において、実写場面での主人公・ケータを演じられましたが、プレッシャーは?

 ケータ役に決まったときは、事の重大さに気がついていなくて、「普段ゲームで操作したり、アニメで見ているケータをやるんだ!」ぐらいの気持ちでした。

 撮影もグリーンバックの前で一人でお芝居していたので、気持ちの方が勝っていたのですが、映画が完成して、大勢のお客さんの前で舞台挨拶をしたときに、初めて「凄いことになってしまった!」と気づきました(笑)。

――その後も、『キングダム』での吉沢亮さん演じる漂、『ザ・ファブル』での岡田准一さん演じるファブル、『糸』での菅田将暉さん演じる漣、『夏への扉 -キミのいる未来へ-』での山﨑賢人さん演じる高倉などの幼少期・少年期を演じられます。こういった役を演じるうえで注意していることは?

 いつも「こんな大役、僕でいいのかな?」と思いつつ、原作モノの実写を演じることが多いので、ご本人の特徴を意識するというより、原作を読み込んで、そこにいかに近づけるかということを考えていました。

 小学3年生のときに出演したドラマで生田斗真さんが演じたイクオの幼少期を演じたことで、「このお仕事を続けていきたい」と思うようになったのですが、その後もいくつか少年期を演じていくことで「自分が作品にどれだけ貢献できるのか?」ということを考えるようになりました。

――となると、転機となった作品は、15年に放送された「ウロボロス~この愛こそ、正義。」ですか?

 時間がないなか、僕の演技を現場まで見に来てくださった斗真さんの役作りに対する姿勢を知ったときに、「役者って、こんなカッコいい職業だったんだ」ということに気付かされたんです。

 最初はヒーローに憧れるような感覚だったと思いますが、ずっと斗真さんの出演作を追いかけていくうちに、だんだん変わってきたような気がします。

2024.08.16(金)
文=くれい 響
撮影=平松市聖
スタイリスト=岡本健太郎 KENTARO OKAMOTO
ヘアメイク=亀田雅 MASA KAMEDA