ただ、理恵のようにダメな恋愛をしている人には「いつまでも同じ相手と恋愛はできない」ということは考えてほしいと思います。
仮に今20代だとしたら、今しかできないことって恋愛以外にたくさんあると思うんですよ。なので、ダメ恋なんかに時間を使うのはもったいないと考えたほうがいいと思います。
「今のこの若い貴重な時間を全ベットしてもいい」というのであれば、それは止められないですけど、恋愛の時間って絶対有限なので、そこはしつこく言いたいですね。
ダメな恋愛を続けるのは時間がもったいない
――「恋愛の時間が有限」というのはどういう意味ですか?
山本 どんな恋愛も5~6年したら冷めるといいますけど、本当にそうだと思います。どんなに好きな相手でも、5年くらいするとお互い、恋愛的な刺激がなくなってくる。もし、その5年後に自分に何も残らなくてもいいという覚悟があるなら続ければいいし、5年無駄にしたらちょっとやばいと思うなら、ダメな恋愛から脱却できる方法を探したほうが自分の人生のためになるんじゃないかなと思います。
恋愛が別の形に変わる場合もありますし、ダメな恋愛からしか摂取できない経験もあるので、全部が全部無駄とは思いませんが、ダメな恋愛を続けるのは時間がもったいないなという気はします。
――どういう恋愛なら「いい恋愛」だと思われますか?
山本 「やさぐれ女 美央編」でヒロさんと美央が結ばれる回や、「同棲終了女 春奈編」の番外編「変える女」には、読者の方からたくさんのお祝いコメントや感想をいただいたんですけど、ああいうのを「いい恋愛」とするなら、自分の人生がいい方向に向かっていくのがいい恋愛だといえるのかもしれません。相手と一緒にいることで自分の人生がいい方向に向かっていく。そういう「いい恋愛」であれば、どんどん続けたらいいのかなと思います。
ちなみに、私の理想の男性はヒロさんですが、なりたいのは春奈の親友・秋ちゃんです。意外と高スペックな女性で、頭がよくて、変わっていくことに躊躇がない。叶うなら秋ちゃんみたいな人生を送ってみたいです。
気になる、理恵の「その後」
――理恵の「その後」も気になります。理恵の番外編は描かないのですか?
山本 実はTwitterで『はたらく恋愛マトリョシカガール』という理恵のその後を描いた続編をアップしていたんですが、途中で止まっているんです。痛い恋愛を経て、人に寄り添える女性になってくれたらいいなと思って描いているので、ちゃんと描ききることができれば、理恵も「いい恋愛」にたどり着ける日が来るかもしれません。
――それは、続きが読みたいです。
山本 ありがとうございます。がんばります……(笑)。
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2024.08.16(金)
文=相澤洋美