「レギュラーメンバーとして、演技だけでなく、企画をすることもあります。監督とは映画『鬼が笑う』(2022)でご一緒させていただきました。監督はとにかく熱い方で、私たち俳優をすごく愛してくれます。会うたびに『赤間さん、どうして売れないんですか!?』って真剣におっしゃるんですよ。映画やドラマを作る立場からすれば、集客や視聴率を上げるためにも、知名度のある俳優さんをキャスティングしたいもの。だから『名もないおばさんはなかなかキャスティングされませんよ』って言うんですけど、監督は『それなら僕が赤間さんや、半田さん、梅田さんを有名にして、使わせたいと言わせてやる!』って」

――自分の作品で役者さんの知名度をあげてやろうと。

「逆転の発想ですよね。監督も知名度が理由で自分の思い描くキャスティングができないことに忸怩たる思いがあったのだと思います。監督が仲間を集めて「こねこフィルム」を始めたのが昨年の4月、私が参加したのがその2ヶ月後の6月です。監督から「お母さん役が必要なのですが、よかったら参加して頂けませんか?」とお誘い頂いて、縦型の動画撮影がどんなものかもわからないまま参加しました。それがきっかけで、気がついたらメインメンバーに(笑)」

スマホの縦長画面で苦労したこと

――スマホの画面にあわせたドラマということですが、俳優としては違和感があったりするのでしょうか。

「映画が一番尊いというわけではないんですけど、映画監督が撮るのなら、スマホの小さい画面ではなく、大きな画面で見てもらいたいという気持ちは確かにありました。でも撮影するうちに、役者としての仕事としては縦だろうと横だろうと変わらないと思うようになりました。ただ、フレームが狭くてあまり自由な動きができないので、そこは感覚を掴むまで苦労しましたね。何回もフレームから出てしまって、『赤間さん、全然映ってません!』って言われたり(笑)」

 

2024.07.20(土)
文=「週刊文春」編集部