「酢辛ニラ汁もり」が登場
見ているとあっという間に注文品が完成したので取りに行く。登場した「酢辛ニラ汁もり」を眺めてみる。やや大き目なつけ汁のお碗には生のニラがびっしりとのり、ラー油がかけられている。つけ汁はアツアツだ。つけ汁をまずひとくち。程よい酸っぱさで啜ってもむせるほどではない。辛さは控えめだ。つけ汁に冷たいそばをどっぷりとつけて食べていく。これは有りそうでなかった組み合わせである。汁の中には豚バラ肉が入っていて肉のうま味が広がっている。
そば・うどんのつゆに酢が合うのはまあ当然といえば当然だ。「冷したぬきそば・うどん」に梅酢や梅干しを入れて食べる所もあるし、讃岐うどん屋でも「いりこ酢」を置いている所もある。まあ「心太(ところてん)」に酢醤油がよく合うのと近いようにも思える。個人的にはもう少し酢を入れたいくらいだった。そんなことを考えて食べていたらあっという間にそばがなくなってしまった。
追加で「冷しねりごまそば」を注文
そこでいいアイデアを思い付いた。「そば処信州屋」では冷たいそばが年中人気である。「もりそば」や「ざるそば」がうまいので、かき揚げなどをつけて食べる常連も多い。「冷したぬきそば」などを頼めば「きぬさや」がのって登場する。「冷しとろろそば」は人気メニューである。そして忘れてはいけないのが「冷しねりごまそば」である。人気商品で一年中注文が入るほどだ。この「冷しねりごまそば」をこの「酢辛ニラ汁」につけて食べてみようと考えたわけである。
再びレジ前に行き、「冷しねりごまそば大盛」を注文した。ホールのお姐さんは「お代わりするの?」とびっくりされているが躊躇はない。すぐに注文品が登場したので席に持ち帰り、まずそのまま食べてみた。相変わらずごまだれの味が濃厚で、ねぎと冷たいつゆとそばとの相性もよい。
そして、目的である「酢辛ニラ汁」につけて食べてみた。酢辛い味とニラ、それにごまだれが加わってなかなかよい味になっている。この酢を使ったそばは今年の夏は流行りそうな気がする。
2024.06.09(日)
文=坂崎仁紀