2023年12月25日、西武池袋線の富士見台駅すぐのところにオープンした立ち食いそば屋「麺処盛盛」が今話題となっている。とにかくうまいつゆである。何が話題になっているかというと次の2点である。

・西武池袋線で肉そばブーム到来か
・「麺処盛盛」のつゆに驚きの手法が……

 このことについて掘り下げてみようと思う。

富士見台駅からすぐの好立地

 さっそく立ち食いそば屋「麺処盛盛」を訪問してみることにした。西武池袋線富士見台駅を出て南側すぐの商店街を右に行くと、みずほ銀行の先に黄色いテントがみえてくる。駅から1分もかからない好立地だ。店は角地にあって大変目立つ存在だ。店主の島田聡さん(通称・島ちゃん)が笑顔で迎えてくれた。

「麺処盛盛」はラッキー田中株式会社が経営する店で、もともとは神奈川県藤沢市片瀬海岸で「おむすび処盛盛」やラーメンショップなどを経営している会社である。その会社が初めて立ち食いそば屋1号店を出したのがこの富士見台の店である。

さっそく「肉そば」を注文

 店主の島田聡さんは若い時、中村橋界隈のそば屋でバイトしていたことがあり、そばの仕事には抵抗がなかったとか。さっそく冬季限定メニューの「肉そば」(590円)を注文してみた。

 まず仕入れの太い茹で麺のそばを湯がいていく。そしてどんぶりに生返しを入れる(このことについては後述します)。そして大きな寸胴から出汁つゆをかけて、そばを入れる。さらに、炊飯器で保温している炊いた豚肩ロース肉をどんぶりにどさっと入れ、細切りにしたねぎをどばっとのせて完成である。まず、その姿をみてテンションが上がる。

 まずつゆをひとくち。透明できれいなつゆだ。しかも出汁や生返しの味の輪郭がしっかりと伝わってくる。肉そば用のつゆには肉汁エキスを追加しているという。豚肉は豚肩ロースを使っているせいか、きれいなピンク系の色で脂が少なくさっぱりしている。太麺のそばはじっくりと温められており、つゆを吸ってぷるっとしてすごくうまい。薬味には生姜があり、それを入れて味変するとなかなかよい。

2024.02.09(金)
文=坂崎仁紀