哲代 わお~。
―― 私たちの心に残っているのは、「弱気の虫が出てきたら早めに退治するんだ」とか。哲代さんにも弱気なときがありますよね。雨が降ったりすると、ちょっと寂しくなっちゃったりとか。
哲代 これでも弱気。えへへ。
―― ちょっとわかりにくいですけどね(笑)。その弱気の虫の退治の仕方も色々教えてくれますよね。たとえば、独り言がすごく多い。大きな声で自分にいつも言い聞かせてらっしゃるんです。自分の背中を押すような感じなのかなと思うんですけど、「さあ、これからご飯をいただきますよ」とか「美味しいお茶入れましょうよ」とかね。
―― 自分を励まされているように感じます。歌もよく歌っておられますよね。すぐ替え歌にしちゃったり。
哲代 なんもかんもボロが出ますな。
―― 今日、一曲披露してみます? 哲代さんが作曲した「中野ソング」のサビの部分だけでも。
哲代 やってみようか。
(元気に歌い出すが、歌詞を忘れ、途中からチャラララ……で歌い切る)
哲代 失礼いたしました。
―― 無茶ぶりしてごめんなさい(笑)。チャララで歌い切るのはさすがでございます。
哲代 惜しいことしました。聞いてもらいたかったのに。
―― 哲代さん、最後に、いつも聞かせてくれるあの話をしてください。「物事っていうのは 表と裏があるから、悪いことが起きたときに、一方だけから見ちゃダメだよ。物事はいいほうから見ないと」っていつも教えてくれるじゃないですか。
哲代 そうですね、一生涯の中でね、いいほうに考えた方がね、 ずっと得ですけぇね。いいほうへ考えたほうがよろしいですね。もし、情けないことがあっても、ひっくり返してみたらいい面があるということはね、 これ真理でございます。100年生きたもんの真理でございますのでね、心配せずに 前を向いて生きましょうね。こうして100年生きてきたんでございます。だから、のんき、のんき!
―― のんきとはいえ、「自分を機嫌よくさせるのも、自分の折れた心を起こすのも自分しかいない」ってよくおっしゃっていますよね。「誰も起こしてくれないもんね」って。
2024.04.30(火)