——今回で2回目(のアカデミー賞受賞)ということですけども、受賞が発表されたときには具体的にどういうお気持ちでしたか?
鈴木 いやあ、(オスカー像を)3個注文してたんで(笑)。「獲れましたよ!」って言われて、「あ、そう」っていう感じで慌てふためいてたんですけども。でも、これは時の運だと思っていますから、こういう賞をいただけたっていう、こういう瞬間、やっぱり、本当に心の底から嬉しかったんですよね。それ以上、言いようがありません。はい。
——受賞のときは宮﨑監督と一緒に?
鈴木 いや、アトリエがこのそばにありまして、そこで彼はね、待ち構えていました。で、僕はこっちのスタジオのほうにいたんですよ。で、この記者会見がその後にありましたからね。だから、まあ僕が彼と話をしたのは、電話です。
——そのときには、「日本男児として嬉しい顔を見せてはいけない」と言いながらも喜びがこぼれていたみたいな?
鈴木 それはね、その前なんですよ。僕が「じゃ、スタジオ行ってきます」っていうときに「頑張ってください」なんて言ってましたからね。そういうことです。
——受賞のときは、どのようなことを鈴木さんのほうにおっしゃったんでしょうか。
鈴木 いやぁ、まあ興奮してましたよね。「俺は気にしてないから」って、僕がこっちに来る前も、一生懸命自分の気持ちを抑えるようにそういう言い方をしてましたけども、けっこう欲しがらないって言いながらも欲しいんだな、っていう感じでした(笑)。はい。
「おめでとうございます」「お互いさまです」
——実際に受賞した後にお電話なさったときにはどのようなことを?
鈴木 だから、その緊張が続いてましたね。
——どのような言葉をおっしゃってましたか?
鈴木 本当に普通ですよね、「よかったです」って。で、僕はついね、こういう言い方をしちゃったんです、「おめでとうございます」って。そしたら「お互いさまです」って、そんなことを言ってました(笑)。はい。
2024.04.12(金)
文=「文藝春秋」編集部