「本来野生だから、僕ら人間に飼われた時点で…」動物と暮らすことをタバやん。さんはどう考える?

――話しかけることはありますか?

 もちろんあります。家に帰ってきたら、みんなに「ただいま~」って声をかけて。インコがめっちゃ鳴くので「ちょっとうるさいよ~」って注意したり、モーちゃんが場所移動してるのを見つけると「いつ移動したの?」って言ったり。まぁ、独り言に近いですけど、楽しいですね。

――爬虫類は規制も多いイメージがありますが。

 以前は飼えたけど、条例が変わって飼えなくなることは確かにあります。例えば熱帯魚でガーっていう口が尖ってるワニみたいな魚がいたじゃないですか。数年前に特定外来生物に指定されて、急に飼えなくなりました。もちろん今飼っている人は届出を出せばそのまま飼うことはできるんですけど、繁殖をさせたり持ち運んだりするのは禁止です。僕、指定される1週間前くらいに飼おうかなと思ってたんですけど、ギリギリ飼えなかったんですよね。

――繁殖させて、万が一、川などに捨てる人がいたら、そのガーは外来種として駆除しなければいけなくなる。

 そういうことです。あと、鳥の場合は長生きする種類が多くて。タイハクオウムとかだと80~100年くらい生きるんですよ。僕、バードライフアドバイザーの資格を持っているんですけど、その講座のなかで、長生きする鳥は自分が死んだときに誰に引き継ぐかまでを考えて飼わないとダメだって学びました。例として、高齢女性が亡くなって誰もいない家に、80年くらい生きるデッカいインコがいた……とか聞いたこともありますね。

――命だから、そこは一番に考えないといけないですね。お話を伺っていると、生き物と暮らしているということをより直接的に感じるというか。犬や猫を飼っている人とはまた違うペット観があるように感じました。

 ああ、たしかにそうかもしれないです。相棒だったり、家族だったり……もちろん家族だとは思ってますけど、寿命を考えたり、長生きさせたいと思ったりする気持ちが強くなるかもしれないですね。極端なことを言えば、僕ら人間に飼われた時点で、その子の人生——人生って言っていいかわからないですけど、それはよくないんじゃないかなと思っているんですよ。だって、元々は野生にいた種なんで。よくないならば、せめて僕の手元にいる子は長生きさせてあげたいなって。なんとかよりよい生活をさせてあげたいっていう気持ちがあります。そうするためには知識が必要になるので勉強しますし、自分の負担になりすぎないためにも無理なく世話できる方法を試行錯誤していますね。

――では、タバやん。さんにとって、今一緒に暮らしている動物たちはどんな存在ですか?

 えぇ、難しいなぁ。さっきも言ったように、もちろん家族ではあるんですけど……なんだろう? うまくまとめられないんですけど、試行錯誤を繰り返して今飼っている子たちがいるので、「過去に飼っていた子たちのことも背負ってるよ、君たちは」っていう気持ちです。だから、命をともに学んでいる関係って感じですね。命って……これは自己中ですけど、みんなが死んで自分が悲しくなることが一番辛いですから。

 いや、本当に自己中なんですけどね? それを理解した上で、自分が悲しくならないためにも、頑張ってこれからもお世話していきたいなと思います。

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タバやん。

1985年7月15日生まれ、東京都出身。2009年に中学の同級生である益田康平とお笑いコンビ・カゲヤマを結成。「キングオブコント2023」準優勝。ギターやマンガ、料理など多趣味として知られている。
X(旧Twitter):@owaraikageyama
Instagram:@tabayan0715

Column

お笑い芸人の“うちの子”紹介

今をときめくお笑い芸人たちが愛すべきペットとの生活を語ります。飼い始めたきっかけやその子のチャームポイント、可愛い! と思う瞬間や彼らとの暮らしのなかで気づいたことなど、たっぷり語ってもらいました。しゃべれども、しゃべれども、ペットへの愛は尽きないようです。

2024.03.31(日)
文=高本亜紀
撮影=山元茂樹
写真=タバやん。