#03 謝朋酒樓の「五目おこげ」
カンカンに熱した土鍋に、サクッと揚がったおこげが積み重なっている「五目おこげ」。卓上で熱々の五目あんをかければ、ジュワジュワーッ、パチパチ! とおいしい音と香りが大合唱し、食欲を激しくかきたててくれます。
「おこげは海鮮やフカヒレあんも選べますが、まずはスタンダードな『五目おこげ』から味わって欲しいですね。でも、正直どれでもいいんです。なぜならば、このおこげのポイントは揚げたご飯にあって、全然油っぽくないんです。それがいいんです!!!」(谷口氏)
乾燥させたご飯“鍋巴(グゥォバー)”を、注文が入ってから高温で一気に素揚げしたおこげ。しっかり油をきるから、くどくない仕上がりになるそう。あっさりめのスープをベースにした五目あんは軽いとろみの口当たりで、油を感じさせないおこげとの絶妙なバランスが楽しめます。
大きな海老やイカ、タケノコなどがゴロゴロ入っている五目あんの具は、大ぶりで食べごたえがあるのも嬉しいポイント。あんがスープのようにサラッとしているのでおこげとの絡みもよく、きゅうりのみずみずしさやプリッとした海老の食感など、素材の味をダイレクトに感じることができます。
魚介や野菜の旨みがたっぷりにじみ出た五目あん。食べ進めるうちにあんを吸ったおこげはもっちり食感に変わってきますが、しっかり高温で揚げているので食べ終わりまでサクサク感が残っているのもすごい。
とてもアツアツな料理ですが、一気呵成にペロリと食べきってしまう人が続出。ほか、海鮮おこげ(2,079円)、フカヒレおこげ(2,310円)もぜひお試しを。
謝朋酒樓(シャホウシュロウ)
所在地 神奈川県横浜市中区山下町188
電話番号 045-662-9113
営業時間 11:00~23:00(L.O.22:15)、土・日曜・祝日・祝前日10:30~23:00(L.O.22:15)
定休日 無休
交通 みなとみらい線元町・中華街駅より徒歩3分
https://www.shahoshuro.com/
●教えてくれたのは……
ライター・嶺月香里
東京都生まれ。横浜中華街の1年を通した連載を手がけるなど、中華街を取材し続けて10年以上。老舗の名物はもちろん新店にも積極的に足を運び、中華街の深淵を日々探索中。酒と肴と動物性たんぱく質が主食で、ウナギが大好き。CREA WEBで「教えて! ウナギ大好き、ウ大臣」のコラムをあげている。食以外では「温泉」と「恐竜・鉱物」がライフワーク。
食いしん坊・公務員X
愛媛県生まれ。暮らしも仕事もすべてが横浜駅~横浜中華街付近の50代前半公務員。持ち前の食いしん坊&調べ尽くさずにはいられない気質から、中華街全域の調査にも余念がなく、その粘り強い姿勢を「横浜(ハマ)の中華街刑事(デカ)」と呼ぶ者も。精緻で豊富な知識は、都内の食通から情報を求められるほど。ときには「とんかつ」「デパ地下」「アニサキス」などを追っている。
「ホテルニューグランド」副総支配人・谷口謙一郎
東京都生まれ。「帝国ホテル」「ウェスティンホテル東京」などで、マーケティング・広報などを歴任。現在は横浜のクラシックホテル「ホテルニューグランド」で副総支配人を務める。無類の中華料理好きで、特に「ウェスティンホテル東京」時代はホテル内のレストラン「龍天門」から続々とヒットメニューを提案。現在は都内から横浜に通勤しながら、横浜中華街のみならず、市内の中華料理店のパトロールに余念がない。
2024.03.27(水)
文=嶺月香里
写真=志水 隆