この記事の連載
- 古川毅さんインタビュー#1
- 古川毅さんインタビュー#2
蒼太は僕だったら絶対にしない選択もしてしまう
──今回古川さんが演じた栗原蒼太は、キーマンとなり得る重要なキャラクターです。演じていて共感できるところはありましたか?
少しネタバレになっちゃうかもしれませんが、蒼太はすごく愛情深くて、優しい男なんですよ。ただ、理解に苦しむ一面もあり、僕だったら絶対にしないであろう選択もしてしまう。そのあたりは、どんなふうに演じたらいいのか、かなり悩みました。
でも、それは古川毅という素の僕に置き換えるからそう思ってしまうだけなんですよね。「栗原蒼太」という人物がこれまでどんなふうに生きてきたかを考えれば、過去のできごとが彼という人物を作り出しているんだな、と納得することができるので、フィクションではありますが、「栗原蒼太」というひとりの人間をちゃんとつかみにいこうと思いながら、自分なりに蒼太を解釈して演じました。
──表裏がある人物を演じるというだけでも難しそうなのに、ほかの登場人物も全員二面性があるという今回のドラマではご苦労がありましたか。
そうですね。「表」と「裏」だけでなく、いろんな要素を併せ持つキャラクターなので、場面に応じて感情の出し方や動き方を変えていかないといけないというところは、これまで演じた役と比べてもすごく難しいところでした。台本も最初にまとめていただくのではなく、撮影しながら少しずつ渡されていく形で、演じる僕たちも一緒になって謎解きをしているように思えて面白かったです。
──古川さんは普段ダンス・ボーカルユニット「SUPER★DRAGON」というグループで活動されていますが、グループで行動するときと、個人で活動するときとで意識的に自分を演じ分けているようなところなどはありますか?
どうでしょう……。基本的に表裏はないタイプだと思いますけど、ウソがつけない人間なので、どこにいっても誰といても、あまり変わらないんじゃないかと思います。強いて言うなら、偉い人の前ではちょっとかしこまるけど、仲間内ではちょっとだれるとか。場に応じてというか、TPOをわきまえるという感覚はあるかなというところですかね。
2024.01.04(木)
文=相澤洋美
撮影=山元茂樹
ヘアメイク=渡邊夏生