都心にありながら素晴らしい値段設定のトルコ料理店

 店に入った瞬間、日本を出て、外国のトルコ料理屋に入り込んだような、ほかのお店にはない雰囲気があってたまりません。愛知県や埼玉県にあるガチトルコ料理屋に比べると、食事の量は気持ち少な目ですが、その分、値段も少し安め。都心にありながら素晴らしい値段設定です。

 

 店の前ではイラン人の女性が「お茶いかがですかー」と呼び掛けていて、外国人が通ると英語で声をかけています。トルコの定番スイーツ「バクラヴァ」やトルコチャイ、トルココーヒーを飲みながら、いつもと違うアキバでのひと時を過ごすのもおすすめです。

 ちなみにその店のトルコ人社長に話を聞くと、実は、外国人の多い六本木や原宿、渋谷に展開する「MAMO KEBAB」の系列店だそう。なるほど、秋葉原で異彩を放つのも納得です。社長は「日本人はトルコアイスとケバブしか知らないので本当のトルコ料理を伝えたい」とも語っていました。

中古の電子機器を販売する外国人の店も増加

 ところで、今秋葉原では買取屋(※不用品や中古品を買い取る店)が増えているのをご存知でしょうか? ゲームやグッズだけでなく、スマートフォンの買取屋も多数あります。バングラデシュ人のラビンさんがやっている「Tokyo electric & halal shop」という店もそのひとつ。

 この店は昔、ハラル食材を扱っていたのですが、今は中古デジタルショップに変わっています。取材訪問したお昼時には、多くの問い合わせを受けていました。円安の今、日本のスマホをはじめとした商品は、世界的に見て非常に安くなっています。そのため、秋葉原の買取屋には高価買取を目指してやってくる人が増え、その結果、中古商品が集積される。

 そしてその中古品を買って、日本国内や世界に向けて販売する外国人の店も増えているのです。つまり何が言いたいのかというと、秋葉原にハラルのケバブ屋が何軒も出てきたのは、日本人の胃袋だけでなく、そうした外国人の胃袋を満たすためでもあるのです。

2024.01.11(木)
文=山谷剛史