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各部屋で配布されるリーフレットにも注目

 詩人の水沢なおは、詩で甲斐絹にアプローチ。「言葉を介さないコミュニケーションとして、言語的に扱われていた印象を受けた」と話している彼女の詩は、会場内で打ちっぱなしの壁に投影されていて、じっくりと味わうことができます。

 写真家の川谷光平は、甲斐絹をモチーフにしたさまざまな写真作品を発表。ガラスケースの中に入っていたり、壁に垂れかけられていたりと、展示方法もさまざまです。

 ロストテクノロジーとなり、人々の記憶からも消えていく甲斐絹。そこに織り込まれてきた人々の物語を感じ取れる時間でした。

2023.12.06(水)
文・写真=岸野恵加