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ドラマに登場する料理は、全て自宅でも作りました

――ドラマでは毎回お料理のシーンがありますが、日頃からお料理をされている駒木根さんにとっては、それほど大変ではなかったのでしょうか。

 そうですね。包丁の扱いに関してはとくに練習しなくてもできましたが、すり鉢は実際に使うのが初めてだったので、慣れるまでかなり大変でした。

 それにこれまでは、完全に自己流の料理だったので、あらためて料理指導の先生から「煮物を作るときに面取りをすると煮崩れしない」などの基礎を教わったり、「こうするとスマートに見えるよ」と教えていただいたりしました。番組で作った料理は、自宅でも練習がてら作りました。

――どんなお料理を作られたのですか? 番組で作った料理の中で、印象に残っているものがありましたらそれも教えてください。

 ドラマに登場する料理は、全て自宅でも作りました。ケークサレやデザートなど、普段作り慣れていない料理もありましたが、材料の計量から手順通りに作ればいいので、あらかじめ答えを教えてもらっているテストみたいな感じでそれほど大変ではなかったです。

 ちなみに、水餃子は気に入って何度も作りました。もともと餃子が好きで、今作に出る前から餃子の皮は自分で手作りしていたのですが、小松菜を入れるなど、餃子の中身も工夫して作るようになりました。

 思い出深いのは、敬達(けいたつ)(弟のオン役の越山敬達さん)と一緒にカシャカシャ振りながら作ったアイスです。それまで高度なテクニックを使って料理をしていたのに、ただ振るだけなんて急に簡単になったなと思いましたけど(笑)、あれは楽しかったな〜。あれで本当にアイスが作れるのが、面白かったです。

――基たちが暮らす古民家では、オーブンはあっても電子レンジはないなど、「便利」「時短」とは真反対の生活が営まれています。料理のシーンでは、どんなことを意識されましたか?

 穏やかで丁寧な暮らしというのが大前提にあるので、とにかく姿勢よく過ごすことを心がけました。僕、普段めちゃくちゃ猫背なんですよ。あとは、フライパンにしてもザルにしても、使い方がこれで本当に合っているのかどうかは、意識しながら料理しました。

 食べるときも、ちゃんと丁寧にというか、作法に則って食べるよう意識しましたね。基は「食いしん坊」という設定だったので、食べるときはできるだけ大きな口で、だけど上品に見えるように心がけました。

――原作の基よりも、ドラマ版の基のほうが、物静かで上品に感じました。

 上品に見えたなら嬉しいです。普段はそこまで上品ではないので(笑)、頑張った甲斐がありました。

 いままで「召し上がれ」「うまかろう」なんて言ったことはなかったのですが、そういうセリフもちょっと背伸びしている感じがして、楽しかったです。

2023.12.07(木)
文=相澤洋美
撮影=鈴木七絵
スタイリスト=千葉 良(AVGVST)