画面固定のままでもOKなのが優れもの
ちなみに地味に優れているのが、画面の自動回転をオフにした状態でも、問題なく利用できることです。iPhoneの画面が自動回転するのを嫌って、画面の向きを縦方向で常時固定している場合も、この機能を使うためにいちいち自動回転をオンにする必要はありません。よく考えられた機構と言っていいでしょう。
![ワイヤレス充電器に載せた状態。縦向きだとこのように時計を表示するのが精一杯です](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/e/1280wm/img_8ec074336a17c9b816c9e68e4ade7b37109375.jpg)
![スタンバイ機能を有効にしていれば、「充電中」かつ「画面を横向きにした状態」で、時計やカレンダーなどのウィジェットを表示できます](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/f/1280wm/img_5ffdcec4a307c2794f45719443e291da115530.jpg)
![画面は左右に分割されており、それぞれに任意のウィジェットを選んで配置できます](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/3/1280wm/img_c3849740fbf439ad2e7a1bb22dbba477127294.png)
![スワイプすると全画面を使った時計表示へと切り替わります。デザインは自由に選択可能](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/3/1280wm/img_b3089a3a1ef5bc8030e9748d38e3c70e24305.png)
![保存されている写真を用いたフォトアルバム機能も搭載します](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/5/1280wm/img_4519c0eb44e3d6de8f90b315e3c31ebb2396430.png)
![ウィジェットの検索画面。さまざまなアプリに紐づいたウィジェットが用意されています。今後増えてくるのが楽しみです](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/9/1280wm/img_79cb410ee21bac2ce4f56bec6fd9511c544105.png)
なおほんとうの意味で“常時表示”できるのは、常時表示ディスプレイに対応した機種、従来モデルで言うとiPhone 14 ProとiPhone14 Pro Maxのみです。他の機種では、機能自体は利用できますが、しばらく経つと消灯してしまい、何らかの着信や通知があるか、もしくは画面をタップするまで再点灯しません。ちょっと意地悪に感じられるポイントです。
テキストの抽出が縦書きでもできるように
さて、一般的にスマホOSのアップデートでは、前述の「スタンバイ」のようなまったく新しい機能よりも、すでにある機能に施された細かな改善のほうが、より有用という場合も多々あります。ここからはそれらの中から、実際に使って筆者のツボにはまった4つの機能を紹介します。
まずは「縦書きテキストの抽出機能」です。写真アプリで画像を長押しすることで、画像内の文字情報をテキストデータとして抽出できる機能は、従来からも利用できましたが、今回のiOS 17では、これまでの横書きだけでなく、縦書きのテキストも選択できるようになりました。
縦書きが選択できることで、日本語との親和性がさらに向上したわけですが、なかでも古い新聞や雑誌などから、テキストが簡単にコピーできるようになったことは見逃せません。これならば、古い新聞のスクラップなどから本文を抽出し、ネットで検索したり、メモ帳に貼り付けて再利用するなど、さまざまな用途に使えます。
もちろん著作権には注意する必要がありますが、これまで横書きに限定されていたテキストの抽出が、写真アプリだけで簡単にできるようになったのは革命的です。今後、さまざまな可能性が広がる機能と言ってよさそうです。
2023.10.06(金)
文=山口 真弘