妊娠中に作った「これだけはやるなリスト」
――実家との関係性やご夫婦での子育ての仕方、そして峰さん自身も“お母さん”の枠にはまらないオリジナルなスタイルを歩まれているように見えます。
峰 母親になるとみんな髪の毛をボブにするじゃないですか。あとは日焼け防止のデカい帽子を被ったり、アームカバーを着けたり。そういったことが全部嫌だったんです。でも、子どもを持ったら自分もそうなるかもしれないと思って、妊娠中から産後の自分への手紙として、「これだけはやるなリスト」をまとめておきました。
――そのリストには他にどんなことを書いたんですか。
峰 SNSのアイコンを子どもにしないとか、自分のことを「◯◯ママ」と名乗らないとか、夫婦間でママパパと呼び合わないとかです。アームカバーとか洋服に関してはダサいと思うのでしたくないというのもありますし、とにかく「お母さん」である前に、「峰なゆか」のままでいたいという感じです。
――何を置いても母親は子どもを優先すべきみたいな「母性神話」についてはどう思いますか。
峰 スピリチュアルだと思ってますね。私は元々黒髪のロングヘアだったんですけど、むしろ産後に金髪にしたりして、いわゆる“お母さん的なもの”に反抗しています。
マタニティ服を着ていた妊娠中はほんわかとおとなしそうに見えたのか、理不尽な目に遭うことが結構あって。エレベーターに乗り合わせてきた見ず知らずのおじさんにいきなり「6階(のボタンを押せ)」と指図されたり、電車の優先席で酒盛りして席を譲らないおじさんに遭遇したりして驚愕しました。
髪型を変えた後、男性の態度に変化が表れた
――今日は金髪でなくブレイズヘアです。
峰 驚いたのは、ブレイズにしたとたんに、道で男の人とすれ違うときに、相手が0.5人分、私をよけるようになったんです。今までは私の方が1人分のスペースあけて道を譲っていたから、男の人はそのまままっすぐ道を進んでいたんですね。
ずっとそれが当たり前だと思っていましたけど、今は男の人が半分道を譲ってくれるから、私も半分の移動で済むようになった。お互いさまですよね。あと、ブレイズにしてから男の人に声をかけられることもなくなりました。
2023.09.13(水)
文=小泉 なつみ