これを漫画にしてお金にしないと私の精神がおかしくなると思ったので、産後も病室に帰ってすぐ、とにかく忘れないうちに、麻酔が効いているうちに記録しておかなきゃと、ものすごい長文のメモを取りました。
――チャラヒゲさんは峰さんの妊娠中から「ワンオペ育児」を宣言。作品を通じて、チャラヒゲさんの主体的な育児への関わり方が描かれています。
峰 私がチャラヒゲを教育したと勘違いされることがあるんですけど、彼は昔からそういう考え方の人なんですよ。チャラヒゲは学生時代から修学旅行で女湯をのぞこうとする男友だちに「お前それは犯罪だぞ!」とガチ切れしてたらしいんです。なんというか、そういう常識的な人ですよ。そもそも、こっちは妊娠して子どもを生んでヒットポイント1みたいなボロボロ状態なわけで、そんな人間にワンオペ育児をさせる方が不思議です。
パートナーを「好き」と思った瞬間
――育児を通して、チャラヒゲさんへの思いに変化はありましたか。
峰 それまでチャラヒゲのことそんな好きじゃなかったんですけど(笑)、彼が育児をする姿を見て、「あっ、好き」って思いました。私の場合、特に産後1カ月は会陰切開の痛みでほとんどわが子ちゃんと触れ合うこともできず、寝たきり状態で。その時チャラヒゲは本気のワンオペ育児と私の介護をしていたんです。
逆に、産後ホルモンの影響で夫が気持ち悪くなって触れたくなくなるという話は本当によく聞きますけど、役に立たない成人男性が家で寝ていたら嫌いになって当然だと思いますね。
――一方、チャラヒゲさんのご実家は保守的で、峰姓に変えることを知ったお父さんが激怒。絶縁状態になったそうですね。
峰 加えて、結婚・出産発表が大々的にネットニュースになったことで、チャラヒゲのお母さんに元AV女優という私の経歴がバレました。それがきっかけになって、今はチャラヒゲの両親とは連絡をとっていません。
2023.09.13(水)
文=小泉 なつみ