■セカンドハウス(利便性のよい都心での拠点や、寝泊まりできる仕事部屋等として)
■不動産投資家(購入後、賃貸物件として貸す投資家層)
■相続税対策目的層
このように非常に需要の幅が広い。
個室を必要とする「子ども2人と夫婦」の4人家族であれば、67~68㎡前後のコンパクトな3LDKを選ぶことで対応が可能だ。少し狭さは感じるかもしれないが、その分、コストを抑え、リスクヘッジをしながら、都心の利便性を享受できる。子供の独立後はリビングにつながっている部屋をリビングと一体にし、2LDKにしてもいいかもしれない。
主に子どもの入学・進学に合わせた時期に需要が集中することの多い75~80㎡の3LDKマンションに対し、都心・準都心の駅近60㎡マンションは、様々な世帯から一年を通じて需要がある。
「ファミリー世帯」は減少の一途
また、貸す場合においても、狭すぎず、広すぎない60㎡マンションは都心においては需要が多いのに供給が少なく、貸しやすい面積帯だ。
そして今後「75~80m²マンションのような広い家」を必要とする「ファミリー世帯」はどんどん減り、逆に、「1人暮らし世帯」や「夫婦のみ世帯」は増えていく。
国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」(国勢調査における世帯の類型)によれば、2020年時点で、「家族と一緒に住む世帯(「夫婦と子ども世帯」いわゆるファミリー世帯)」は約1395万世帯なのに対して、「一人暮らし世帯」が約2115万世帯、「夫婦のみ世帯」が約1116万世帯で、既に「一人暮らし世帯」と「夫婦のみ世帯」の合計数が「ファミリー世帯」数の2倍以上になっていて、「一人暮らし世帯」のみでも「ファミリー世帯」数を大幅に超えている。
ちなみに2015年時点では「ファミリー世帯」は約1429万世帯、「一人暮らし世帯」は約1842万世帯、「夫婦のみ世帯」は約1072万世帯であった。
2023.08.23(水)
文=後藤一仁