29℃以上の場合は「冷房」運転をオススメします。29℃以上になるといくら除湿しても「やや暑いな」と感じてしまうからです。さらに気温が32℃を超えると除湿するだけでは「汗ばむ暑さ」になります。
ですから気温が29℃を超えたら「冷房」運転にして、設定温度を27~28℃程度にするといいでしょう。冷房運転は除湿もしてくれるので、ゲリラ豪雨明けのムシムシした状況でも、かなり快適な環境になります。
なお、除湿機能がついていないエアコンや、「再熱除湿」と「弱冷房除湿」の区別が付かない場合は、冷房運転にして設定温度を28℃以上に設定するといいでしょう。ほとんどのエアコンは冷房の設定温度を30℃ぐらいまで上げられるので、弱冷房除湿とまったく同じ動作になります。
寝冷えするので冷房は使いたくない、でも熱帯夜はキツイ!
これもよく質問を受けます。「エアコンの“切タイマー”は何時間にセットすればいいの?」というご相談です。そもそも「エアコンをかけたままで寝るのは健康に悪そう」という都市伝説もあり、とくにご高齢の方は熱帯夜でもエアコンをつけずに寝ることが多いと聞きます。
気象庁は「夕方~翌朝までの最低気温が25℃以上を熱帯夜」と定義しています。でも体感的には30℃近くに感じるのではないでしょうか? それは湿度が70~100%もあるのがザラで、しかも無風のときがあるからです。もちろんタオルケットを羽織れば、また熱がこもります。
「エアコンをかけて寝るのは不健康」というのは大嘘なので、熱帯夜には必ずエアコンを使いましょう。もしエアコンを使わずに一夜を過ごすと、知らぬ間に熱中症になる危険があります。湿度が高いので寝汗をかいても蒸発せず体温調整機能がうまく働かなくなり体内に熱がこもる。これが熱中症です。また体は必死に体温を下げようと、ますます汗をかくので今度は水分不足になります。
寝苦しいと感じたり、「今夜は熱帯夜になります」とニュースなどで聞いたりしたら、必ずエアコンをつけて寝てください。設定は冷房運転で温度は26~28℃にします。気温が28℃以下なら除湿運転でもいいでしょう。目標湿度は50~60%です。
2023.08.11(金)
文=藤山哲人