この週末も歌舞伎の『刀剣乱舞』を観に行く予定です。私は尾上松也さんが新春浅草歌舞伎の座長をされた時に取材に行ったりしていて、松也さんがまた新しいチャレンジをされるんだなと楽しみなんです。友達に「受賞したら行けないかもしれないね」と言われましたが、「いやそれは行くよ」と(笑)。
「やってみたいことを、やり続けようと思っています」
――その後の執筆や刊行のご予定は。
永井 「オール讀物」での連載「秘仏の扉」がラスト1話となっています。他に「小説新潮」さん、双葉社さんで始めるものがあります。双葉社さんで書くものはだいぶ前からやりたいと思っていた、完全なエンターテインメントです。時代背景は明治なので、また新しく調べなければならないことが山積です。
やっぱり私は調べるのが好きなんでしょうね。「手元にある資料で書けるものにすればいいのに」と思うのに、やってみたくなる。でも、やってみたいと思うことをやらなくなったら、何のために書いているのか分からなくなる。やってみたいことを、やり続けようと思っています。
《直木賞受賞》「こらえ性もないし、だらしがないし…」作家・垣根涼介が描いた、室町幕府の開祖・足利尊氏の人間性 へ続く
2023.08.02(水)
文=瀧井朝世