日常と真逆の高揚感
●ホテルニュー塩原(栃木県那須塩原市)
開湯1200年の歴史がある栃木県塩原温泉で、ひときわ目立つ巨大ホテル、ホテルニュー塩原。創業は1952年。はじめは塩原東京ホテルとしてスタートしたが、バブル崩壊や温泉ブームの低迷により経営が悪化した結果、2010年に大江戸温泉物語グループが経営を引き継ぎ、今にいたる。
ホテルニュー塩原は西館・B&H館・湯仙峡の3館で構成されており、それらは5階と1階がつながっていたり、地下1階と4階がつながっていたりと、複雑すぎてまさに迷宮。
ホテルニュー塩原に泊まった理由、それはほぼ毎日繰り広げられる、大衆演劇と歌謡ショーだ。迫力あるステージと圧倒的なライブ感に心奪われ、一夜で演者たちを好きになる。
演劇と歌のうまさ、至近距離での写真撮影、心を掴む話術で、はじめは関心の低かった私も魅了され、だんだんとステージの虜に。手拍子で満たされる会場はいつしかひとつとなり、熱気も最高潮。日常と真逆の高揚感にクラクラし、ドキドキが止まらなかった。
●スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)
1966年、常磐炭鉱の衰退から地域経済を再生させるため、坑内から湧く温泉を利用し、当時の日本人憧れの地“ハワイ”をテーマに建設された、スパリゾートハワイアンズ。その誕生秘話が「フラガール」として映画化されたことも有名だ。
全天候型巨大屋内プールを中心に、スパエリアや大浴場が楽しめるほか、4種類の宿泊施設、ゴルフ場、グルメにショッピングと、一日中過ごすことができる一大レジャー施設となっている。
ダンサー育成のための学校まで設立するだけあって、一番の目玉であるのがフラショー。毎日昼と夜に開催され、本格的なパフォーマンスに誰もが見惚れる。圧巻のショーに感化されると、子どもたちはハワイアングッズを手に踊り始め、大人たちはダンサーの写真がついたオリジナル商品を買い求める。
2023.07.15(土)
文=あさみん