〈ある程度の意識を持つ可能性があるといっても、さほど劇的なことではない〉

 人間をしのぐAI「スーパーインテリジェンス(超絶知能)」の脅威を指摘してきたオックスフォード大学教授、ニック・ボストロム氏は2‌0‌2‌3年4月12日付のニューヨーク・タイムズのインタビューで、生成AIに「意識」が宿ったと言えるかどうかは「程度の問題だ」と述べている。

〈奇妙なミスを犯すこともあるが、これらの大規模言語モデルは時に知的な輝きを放つように見える〉

 テクノロジーメディア「ワイアード」の編集主幹で、シリコンバレーを代表するジャーナリストの1人、スティーブン・レヴィ氏は、ラムダの騒動を取り上げた2‌0‌2‌2年6月17日付の記事で、そう述べている。

 レヴィ氏はこの記事の中で、チャットGPTの開発元であるサンフランシスコのAIベンチャー「オープンAI」CEO、サム・アルトマン氏のコメントを紹介する。

〈(生成AIの)システムを初めて使ったとき、コンピューターにこんなことができるとは思わなかった、と感じるでしょう。私たちはコンピューター・プログラムが概念を学び、理解することができるような、知性を持たせる方法を発見したのだともいえる。それは人類の進歩における素晴らしい成果だ〉

 ただしアルトマン氏は、「意識」がある、と主張するルモイン氏には同意しない、とも述べている。

AIの「頭の良さ」

 ロッスム社の社長が称えた通り、ロボットは「驚くべき理性的な知能を備えて」いる。

〈GPT-4は、もともとは人間用に設計された様々な試験で評価された。これらの評価でGPT-4は非常に優れており、人間の受験者の大半をしのぐ成績を収めた。例えば、司法試験の模擬テストでは、GPT-4は受験者の上位10%に入るスコアを記録した。これに対し、GPT-3.5では下位10%という結果だった〉

 最新型のGPT-4の発表に合わせて公表された報告書「テクニカルレポート」は、その性能について、こう述べている。

2023.07.13(木)