2008年に『ミュージカル・テニスの王子様』でデビューし、翌年には『仮面ライダーディケイド』にて門矢士(かどや・つかさ)/仮面ライダーディケイド役で主演を務め、一躍その名を轟かせた俳優・井上正大氏。

 今年1月にはアニメ制作会社「AICライツ」の代表取締役に就任。YouTube特撮ドラマプロジェクト『華衛士F8ABA6ジサリス』の企画・プロデュース・主演を並行しながらの社長就任に驚かされた人も多いだろう。

 地球上、どこを探しても他にはいない。唯一無二の「仮面ライダー俳優でアニメ会社社長」の肩書き。なぜアニメ制作会社の社長になったのか、聞いてみた。(全2回の1回目/後編を読む)

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社長就任の理由

──今日はよろしくお願いします。

井上正大(以下、井上) インタビューの話が来た時は、「文春砲?」とヒヤヒヤしていました(笑)。

──文春砲じゃないです(笑)。1月に発表されたAICライツの代表取締役就任は、大きな反響を呼びました。「仮面ライダー俳優でアニメ制作会社社長」の肩書を持つのは、どこを探しても井上さん1人だけ。キャリアのステップとしてとても興味深いです。

井上 『華衛士F8ABA6ジサリス』の企画を進めていた時に、プロデューサーの大村安孝さんから色々とアドバイスをもらったことで、やってみることにしました。『ジサリス』制作のため自分で組織を立ち上げようと前から考えていて、大村さんにこれを話したら「製作委員会を作って、制作会社の代表もやってみたらどうか」と。 

──大村さんはAICライツの前・代表取締役ですね。もともと知り合いだったんですか?

井上 7年前に、業界仲間で集まるバーベキューで知り合って、それからお付き合いが続いてますね。

──大村さんが、俳優である井上さんにアニメ制作会社の社長の話を持ちかけた理由も気になります。

井上 大村さんが言うには、会社経営の話に対する僕の食いつきが良かったらしくて。確かに、AICライツ代表取締役にならなくても、『ジサリス』制作のために、何かしらの会社を立ち上げて社長になっていたと思います。

2023.07.08(土)
文=川俣綾加